交響楽団の第53回定期演奏会が12月20日午後7時から、神戸国際会館こくさいホールで開催された。地元・神戸での演奏会に1555人が訪れ、3階席までが観客で埋まった。【12月20日 神戸大学NEWS NET=UNN】
当日の神戸は雪がちらつく冷え込みよう。厚く重ね着をした人たちも、暖かいホールに入ると落ち着いて開演を待った。「ガラン、ガラン」と、大鐘が鳴るような音が開演を告げると、登場した団員たちも楽器を手に始まりを待つ。
最初に演奏されたのはニールセン作曲の「ヘリオス序曲作品17」。日の出の様子を描くこの曲は、弦楽器の穏やかな旋律から高らかなファンファーレへと続く。楽器たちがゆっくりと静けさを破り、木造のホールに反響する音色はやわらかい。落ち着いた雰囲気が流れると、続く「バレエ組曲『眠りの森の美女』作品66a」(チャイコフスキー作曲)では軽快な音楽を展開。出だしからシンバルやドラが鳴り響き、ドラマチックな構成で観客の耳に迫る。
コンサートの締めくくりは、チャイコフスキー作曲「交響曲第5番ホ短調作品64」。初心者だった団長の新誠一さん(国文・4年)にとっては、「大学に入って初めて聞いた交響曲」という思い入れのある曲だ。始まりは低調。低音で緊迫感を演出しながら、途中に軽快なワルツなどを取り入れ、弦楽器とトランペットが響く疾走感あふれるラストへと盛り上がる。力強い演奏が終えられると、会場は大きな拍手で包まれた。
中2階から笑顔を送っていた村上恵美子さんは、オーボエを演奏した平野緑さん(発達・3年)の叔母。遠路横浜からの来場にも「豊かな時間を過ごせました。雪も降ってムードがありましたね」と満足げだった。
演奏を終えた団長の新さんの第一声は「楽しかった」。今回を最後に引退することになっており、「このメンバーではラストの舞台。一体感がありました」と振り返る。新さんの「楽しかったよな」との問いに、周りにいた団員たちも笑顔で頷き返していた。
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