45本の灯に黙とう 聞き語り調査会

 阪神・淡路大震災で44人の犠牲者を出した神戸大。都市安全研究センターの北後明彦助教授や「犠牲者聞き語り調査会」の大学院生ら9人が1月17日午前5時46分、六甲台学舎の慰霊碑に並べられた竹灯篭の灯を前に集い、黙とうをささげた。【1月17日 神戸大学NEWS NET=UNN】

Photo 雪がちらつく寒い朝。あたりはまだ暗く、「鎮魂」とくり抜かれた碑を竹灯篭の灯りがあわく照らす。「そのとき」を告げる鐘が遠くで鳴ると、それに合わせるかのように雪が止む。訪れた人々は静かに手を合わせ、黙とうをささげた。
 「聞き語り調査会」の大学院生たちは前日の夜から、竹灯篭を並べ、灯篭の中に浮かべたろうそくに火を灯し続けた。種火は、神戸市中央区の「慰霊と復興のモニュメント」に灯されている「1・17希望の灯り」だ。44人の犠牲者に対し、並べられた竹灯篭は45本。45本目の竹灯篭には、「希望」の意味を込めた。
 9年目の「そのとき」を迎え、メンバーの1人で自身も震災被災者である樋口大介さん(自然科学研究科・1年)は「起きてこの時間を迎えたのは初めて。この時間を大事にしていかないと」と気持ちを新たにしていた。「今後は震災を風化させないためにも、自分たちの活動(聞き語り調査)を継続していきたい」と樋口さん。犠牲者を慰霊する灯が消えることはないようだ。

【写真】1月17日午前5時46分 慰霊の灯を見つめる大学院生ら(1月17日・六甲台震災慰霊碑前で 写真=中島仁志)

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