震災被災地の復興と再開発の現状を研究する「神戸フィールドスタジオ(FS)」が3月4日、JR新長田駅南地区の再開発ビル内に本格オープンした。03年度の21世紀COEプログラムに選ばれた研究「安全と共生のための都市空間デザイン戦略」の一環。【3月4日 神戸大学NEWS NET=UNN】
スタジオでは、長田区民との交流などを通して密着型の研究を進め、地域主体の共生的都市空間づくりを研究。また、若手研究員の育成や震災の記録・研究にも取り組む。
4日にはオープニングイベントが開催され、住民や学生ら90人以上が参加した。震災研究で知られる室崎益輝・都市安全研究センター教授の講演「神戸と私と震災と」や、地域自治体やNPO関係者と大学教授らを招いたパネルディスカッションが行われた。
室崎教授は、スタジオを地域と交流して住民自身による変革を図る新拠点だとして「ながた学派」誕生への期待を込めた後、教授自身の震災研究を講演。4月から東京に転勤する室崎教授は、神戸の都市構造や震災対策をときに厳しく批判しながらも、熱の込もった口調で安全な都市づくりを呼びかけた。最後は「震災を知らない若い人たちが増えているが、場所としての被災地が持つ意味は永遠。考え続けてほしい」と締めくくった。
地域の中にできた研究拠点への期待は大学住民も同じ。パネルディスカッションでも震災以後のまちづくりへの大学参加を唱える声が相次いだ。ゼミの教授に勧められて訪れていた山添晋太郎さん(工・院1)は、「震災は神戸と切り離しできない。(地域から)大学が期待され、果たせる役割を考えられた」と話した。
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