途上国の人々との草の根的な関係作りをするなかで、より良い社会を作ろうとしている団体、「PEPUP(ぺぱっぷ)」。フェア・トレードを通じて途上国の人々の経済的自立に協力している。【6月28日 神戸大NEWS NET=UNN】
PEPUPとは、1998年に「ピープル・フォーラム神戸」として発足したものが、2002年8月に発展的に再編された組織で、正式名称は「People’s Empowerment Partnership Upon Peace(平和と自立のためのパートナーシップ)」。設立者は、太田和宏助教授(発達)。フェア・トレード(=公平な貿易、買い手が正当な価格で直接買い付ける活動のこと)を通じて途上国の人々の経済的自立に協力している。
事務局長を務める清水達行さん(発達・4年)は、初めは全く国際協力に興味が無かったと言う。
そんな清水さんが2002年の春、タイへ行った初日のこと。首都バンコクでは、3~5歳ぐらいの子供や老人が、渋滞で動けない車に乗っている人たちをターゲットに、花や水、新聞などを売っている光景が見られる。清水さんのところにも小さい男の子がやってきて商品を売ろうとしたのだが、清水さんは断った。しかし、「(発車した後で)振り向いたときに見た男の子の目が、印象的で忘れられなかった」。
そんなもやもやした思いを抱えて帰国。たまたま飲み会で隣にいた太田教授にこのことを話したところ、NGO活動としてフィリピン行きを勧められた。
3ヶ月間の研修では、フィリピンの北にあるセブ島に滞在し、マンゴーの収穫や工場での労働を経験した。いま扱っている製品は、そのセブ島で有名なマンゴーを利用したドライマンゴーだけだが、マンゴージュースやジャム、また南米のコーヒーにも範囲を広げたいと言う。ただし「無添加・無着色。品質が悪いと買ってもらえない」。現在、製品は六甲にある青年センターに置いてある。
売上の半分弱は労働者の賃金へ、残りは輸送量・保険代・PEPUPの活動資金などに充てられる。
PEPUPとして再編された当時は3人だったメンバーが、基盤が固まってきた現在では約20人に増えた。メンバーは学生中心だが「社会人の方の意見も参考になる」と清水さん。合宿では、理念の確認やワークショップをメンバー内で行なった。
また、最近では国際フェアトレードDAY(今年は5月8日)に「フェアトレードinひょうご」、6月6日に「灘チャレンジ」で出店。
今後は、製品を生協に置いてもらったり、六甲祭で出店・展示を行いたいという。また学外では、小・中学校で出前授業をやったり、色々な団体とネットワークを結んだり、webサイトを充実させたりするのが目標だそうだ。 これからのPEPUPの活動に、ますます期待が膨らむ。
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