震災10周年事業 秋口には本格化

 2005年1月17日に震災10周年を迎えることを受け、神戸大学阪神・淡路大震災10周年事業委員会が中心となり学術研究や国際関連など多様な企画事業を展開が始まった。事業の総合テーマは「21世紀型社会システムの構築」で、震災の教訓を活かし、安全と安心の「共生社会」の育成を目指す。
 10周年事業委員会は今年1月、神戸大文学部長の岩崎信彦教授らを中心に発足した。同委員会が現在企画している事業は「慰霊、学術、国際連携、研究集成、学民連携」の5つに分けられる。各事業分野の活動は、今年の秋口には本格化する予定。【7月20日 神戸大NEWS NET=UNN】

 ▽慰霊事業分野
  来年1月17日、神戸大の慰霊碑前で震災犠牲者の慰霊祭を行う。   メモリアル音楽演奏や交流講演会も同時開催する予定。


 ▽学術事業分野
  「神戸大による震災研究の成果のまとめと今後の課題の提言」を目標とし、
  人文・社会、理工、医学などの専門分野ごとにメモリアル・学術シンポジウムを
  行うことが狙い。シンポジウム以外にも、今年の冬頃には海外の研究者や
  国際活動団体のリーダーの協力を得て国際フォーラムを開催する予定。
  また、1996年に設立した神戸大学都市安全研究センターによって毎年、
  都市災害にまつわる研究が行われており、その報告書も随時発行されている。

 ▽国際連携事業分野
  神戸大の知的資源を用いて国際社会への貢献するため、2005年1月18日~22日に
  開催される国連防災世界会議に参加予定。

 ▽震災研究の集成事業分野
  展示や神戸大震災文庫の充実を図り、今年11月から来年1月にかけて関連物を展示予定。
  具体的な出展内容や場所等は未定。」
   (震災文庫:http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/index.html )

 ▽学民連携事業分野
  神戸大の研究者と被災地で展開する市民団体のリーダーとの連携のもとにワーク
  ショップを開催し、学知と民知の統合から共生社会を拓くことを狙いとする。
  将来的には「市民大学」の設立も目指している。企画後第一回目となった人文・社会系
  グループのワークショップは5月19日に実施され、文学部の岩崎信彦教授や
  三上剛史教授を含む20余名が10周年事業の充実に向けて意見交換に励んだ。
  具体的な市民団体は被災地NGO協働センター、まち・コミュニケーション、
  コミュニティ・サポートセンター神戸、震災10年市民検証研究会など。
  学民連携フォーラムが、7月17日(土)に神戸市教育会館で、
  震災10年市民検証研究会が主催して開催された。

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