コラム《伏流水》 隣人とともに生きる

 入学直後に風邪を引き、1ヶ月ほども長引かせてしまった。看病してくれる人もおらず、友人もできないのではないかと不安になる。そんな時、「大変やね。欲しいのがあれば買ってくるよ」と、下宿で隣に住む女性が声を掛けてくれたのだ。その一言が嬉しくてしかたなかった。  5月27日、日本人フリージャーナリストの橋田信介さん(61)と小川功太朗さん(33)らが、イラクで銃撃され、亡くなった事件を思い起こす。二人は戦闘に巻き込まれて、左目を失明したイラク人の少年・サレハ君の救援を計画していた。自らも戦場という危険な場所にいながら、他人を思いやり、サレハ君のために行動していた彼らには敬服する。  「以前は親日的だったイラク人の感情が自衛隊派遣後に変化したことを人質事件で身を持って知った」。イラクで人質となったフォトジャーナリストの郡山一郎さんの言葉だ。  隣人に恵まれたために、私は神戸と神戸に住む人たちが好きになってしまった.異国に対する親近感も同じだ。魅力的な英国人女性に親切にされたときには、是非英国を訪れてみたいと思った。  母国を異国にするものの友好は、決して無意味ではないと信じたい。(記者=亀谷枝里子)【7月21日 神戸大NEWS NET=UNN】?

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