9月1日から5日間、琵琶湖漕艇場で行なわれた第40回全日本学生カヌー選手権大会で、神戸大カヌー部は男子カヤックリレー500メートル×4で3位。また新人の部では優勝などの活躍を見せた。かつてめざましい活躍をしていた「神大カヌー」。その復活の原動力はどこにあるのか、芦屋浜の練習場を訪ねた。【9月19日 神戸大学NEWS NET=UNN】
カヤックリレーで3位 近年の低迷から脱出
大会から2週間。記者は9月19日、少し曇った空の下、兵庫県芦屋浜で練習しているカヌー部を訪ねた。
この場所はヨットなど他の競技の練習場所にもなっていて、波に弱いカヌーの練習はとても難しく、転落することもある。そのため特に練習中の新入部員は真剣な表情だ。
全日本学生カヌー選手権で男子カヤックリレー500メートル×4での3位という躍進を見せたクルーのひとり、新主将の日野辰郎さん(工・3年)は「決勝で立命大や大正大などの上位チームがフライングで失格になっていく中で、自分たちはきちんとバトンタッチを行おうという確実性に重点を置いた練習の成果が出た」と勝因を語った。
カヌー部は過去8年の間には2位や3位の入賞、4年前にはカナディアンの部で総合優勝するなどの好成績を残していたが、近年は少し低迷気味だった。しかし今回の結果はその空気を振り払ったと言っていい。
新人部門でも好成績 来年以降にも期待
もうひとつの注目は、ジュニア部門(新人部門)の活躍。
「今年は新入生歓迎会を増やして、部員獲得に力を入れた結果、勢いのある部員が多数入ってくれた。よい結果がでて、とてもうれしい」(日野さん)と、満足そう。
新人の部カナディアンペア500メートルでなどで優勝した行武慎治さん(経済・1年)は、「うれしいです、やりました」としっかりとした声で答えた。 入部したのは試乗会に参加して、カヌーが楽しそうだと感じたから。でも最初は波に勝てず、合宿に行くまでなかなか乗りこなせずにいたという。 ペアを組んだ森元裕之さん(経済・1年)は「行武君にまかせていた。自分は彼のピッチに合わせただけ」と謙遜する。
さらに上をめざすために、行武さんは筋力、森元さんは技術を特に伸ばしたいという。「水の中へ転落することもあってまだまだなので必死で練習を重ねたい。来年はまず5位入賞を目指す」と、来年以降にも期待できそうだ。
女子新人は全員入賞 上位独占の種目も
さらに勢いがあるのは女子の新人の部だ。
女子新入部員は6人だが、新人の部カヤックシングル500メートルでは1~6位、新人の部カヤックペア500メートルでは1~3位を神戸大占めた。全員が入賞を果たしている。
新人の部カヤックペア500メートルで優勝した安本愛理さん(工・1年)は今回の試合について、「決勝では神戸大の選手が全員残っていたので、いつもと変わらない様子で漕げた」と言う。
中学・高校と一緒の友人と入部した。「最初はみんなといっしょでなかなか乗れなかったが、少しでも進めるようになるとうれしかった」という。「一緒に入った女子選手6人と競いながら、来年の大会でもいい結果がとれるようにがんばりたい」と焼けた肌に白い歯がこぼれた。
6年前の火災から復興 「神大カヌー」も復活だ
今から6年前の1998年5月には艇庫が全焼。艇40艇のほか、パドル約50本やライフジャケット、ユニフォーム、備品などが焼失し被害総額は、2000万円を超えた。
学内外から募金が集まり、艇も揃った。今年の2月には、新艇庫への移転などの目途もたったことから「カヌー部復興宣言」を行ったばかり。 今回の活躍で、実力派「神大カヌー」も復活だ。
【写真】インカレジュニアの部でチャンピオンとなった行竹・森元ペア。
【写真】女子新人の部では1位からを6位独占種目も。ペアで優勝、シングルで3位となった安本選手。(いずれも9月19日・芦屋浜で 撮影=武井礼美)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。