関西学生ラクロスリーグ男子の神戸大-立命が10月24日、大泉緑地球技広場で行われ、神戸大が9-7で今季初勝利を挙げた。1部残留もおぼつかない苦境の中、ようやくつかんだ白星にチームは抱き合って喜びを爆発させた。現在の戦績は1勝5敗。【10月24日 神戸大NEWS NET=UNN】
試合は立命に先行を許す格好で始まった。第1Qは立命大AT市場らの個人突破に失点を許し、0-3。神戸大は終始シュート数で上回るものの、ゴール前を固めた立命守備を切り崩せず決定打に欠ける。AT熊野、MF古賀を中心に突破を試みるも、第3Qを終えて5-6と点差を覆せない。
攻撃陣の奮闘が実ったのは第4Q。試合時間が10分を切った場面で、AT熊野がゴール裏を回ってボールを押し込む。これを皮切りにAT宮崎、MF福原が連続でゴールを決め、一気に逆転。終了30秒前にも追加点を挙げ、9-7でリーグ初勝利を飾った。
チームの誰もが待ちかねた1勝だった。ここまで、実力では上回ると見られていた阪大や甲南大を相手に敗北を重ね、気付けば開幕以来5連敗。単独最下位に陥り、2部自動降格も危ぶまれた。
負ければ降格決定という今日の立命戦。この苦境で初白星を収めたことで、1部残留の望みを最終戦の対追手門大戦(11月6日・舞洲運動場)へつなげた。
「勝てたことが何より嬉しい」。これまで口が重かった古賀主将の声が弾んだ。終盤まで相手を追う展開に焦りはなかったというが、久しぶりの勝利は格別な様子。試合終了時には応援に駆けつけたOBたちと抱き合った。
「この1勝。優勝はないけど、この1勝は味わい深い」と、藤井ヘッドコーチも笑顔をこらえきれない。
◎「最終戦勝利」が1部残留条件に 順位争い激化
ただし、まだ1部残留が決定したわけではない。現在、リーグ上位4校がすでに決定し、5位以下を神戸大、甲南大、阪大、追手門大で争っている。(下掲の星取表を参照。2004年10月24日の時点)
神戸大は最終戦で追手門大に勝てば2勝5敗で阪大、追手門大と勝ち点で並び、さらに今後の試合結果次第で甲南大も同率になる可能性がある。ラクロスリーグの規定によると、最下位チームは2部に自動降格し、6~7位チームが2部上位チームとの入れ替え戦を行う。複数のチームが同率になった場合、そのチーム同士の直接対決の結果が順位に反映(引き分けの場合は得失点差)。今回は3チーム以上が同率になるため、該当チーム同士のリーグ戦績のみを抜き出して、再度、リーグと同様の方式で順位審査を行う。
神戸大のリーグ戦での勝ち星は、6戦目までで立命戦のみ。甲南大は神戸大と阪大に、阪大は神戸大と龍谷大に、追手門大は甲南大と阪大にそれぞれ勝利を収めている。4チームが並んだ場合は、4校同士の戦績では神戸大と阪大が1勝3敗で同率となるが、直接対決で敗れている神戸大が最下位に。
逆に、甲南大がリーグ最終戦(京大戦)に勝利し、リーグ6位以下で並ぶチームが3校になると、神戸大、阪大、追手門大がそれぞれの直接対決で3校とも1勝1敗のため、得失点差で神戸大は6位。入れ替え戦出場が決まる。
いずれにせよ、最終戦勝利は1部残留への絶対条件。上位争いからは早々にリタイアしてしまった神戸大だが、来年以降につなげる意味で1部残留は今年最後の目標になる。
「(追手門戦は)勝つだけ。今はそれ以上は望まない」と古賀主将。苦境を脱し、古豪の意地を見せつけられるか。(記者=岩崎昂志)
●関西学生ラクロスリーグ男子(10月24日・大泉緑地球技広場)
神戸大 0 3 2 4=9
立 命 3 1 2 1=7
【神戸大】福原3、磐城、古賀、岡部、熊野、上野、宮崎
【立 命】市田2、吉田2、西林、後河内、竹田
●1部リーグ星取表(10月24日)
確定順位 (10月24日) |
京大 | 関学 | 龍谷大 | 立命 | 甲南大 | 阪大 | 追手門大 | 神戸大 | 勝ち点 | 得失点差 | |
1 | 京大 | ○ 12-8 |
○ 12-4 |
○ 9-7 |
○ 9-6 |
○ 11-7 |
○ 8-6 |
18 | +24 | ||
2 | 関学 | × 8-12 |
△ 7-7 |
○ 7-6 |
○ 17-4 |
○ 8-3 |
○ 15-1 |
○ 13-4 |
16 | +35 | |
3 | 龍谷大 | × 4-13 |
△ 7-7 |
○ 3-2 |
○ 9-5 |
○ 5-7 |
○ 10-4 |
○ 6-4 |
13 | +2 | |
4 | 立命 | × 7-9 |
× 6-7 |
× 2-3 |
○ 8-3 |
○ 12-3 |
○ 9-7 |
× 7-9 |
9 | +10 | |
甲南大 | × 4-17 |
× 5-9 |
× 3-8 |
○ 8-3 |
× 6-7 |
○ 10-7 |
6 | -15 | |||
阪大 | × 6-9 |
× 3-8 |
○ 7-5 |
× 3-12 |
× 3-8 |
× 9-11 |
○ 5-2 |
6 | -19 | ||
追手門大 | × 7-11 |
× 1-15 |
× 4-10 |
× 7-9 |
○ 7-6 |
○ 11-9 |
6 | -23 | |||
神戸大 | × 6-8 |
× 4-13 |
× 4-6 |
○ 9-7 |
× 7-10 |
× 2-5 |
3 | -17 |
※黄色部分は、勝ち点が同率になる可能性があるチーム同士の戦績。
《お詫びと訂正》10月24日掲載の記事で、神戸大はまだ入れ替え戦回避の可能性もあるとしていましたが、正しくは同日の試合結果で7位以下が確定し、2部への自動降格、もしくは入れ替え戦出場が決まっていました。お詫びして訂正します。
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