発達科学部が募った災害ボランティアが10月31日、台風23号で大きな被害を受けた兵庫県洲本市で復旧支援の作業を行った。参加したのは学生、教職員ら56人。現地で被災家屋の家具搬出や泥の除去などを手伝った。【10月31日 神戸大NEWS NET=UNN】
発達科学部からのボランティア派遣は、兵庫県などの要請を受けて26日に決定。当日はチャーターバスで現地入りし、参加者はそれぞれ5~10人程度のグループに分かれて作業を行った。
洲本市は今回、3000棟を超える住家被害を受けた。表通りなどの復旧は進んでいるが、路地裏の家屋や川原、側溝などにはいまだに多くの泥や土砂が溜まっている。床上浸水した家屋の整理作業に加わった学生らは、家具や畳を搬出したり、泥をかき出して土のう袋に詰めたりと、泥だらけになりながら作業を手伝った。
災害ボランティアには初めて参加したという宇井千夏さん(総合人間科学研究科・1年)は「(淡路に)来るまで実際の被害がどんなものか分からなかった。家の裏や床下など、復旧作業の多さや内容は(被災地の)外からじゃ気づきにくい」。
学生のまとめ役を務めた、神戸大学総合ボランティアセンターの大原聡史さん(法・2年)は「テレビ映像よりも、現場の人の悲痛な表情や励ましあう姿などを強く感じた」と振り返った。
◎学内の災害支援体制 仕組み作りへ第一歩
今回の災害派遣は、大学の部局主催でボランティアを募った点で、神戸大では異例の取り組みだ。呼びかけ人になった発達科学部の松岡広路助教授は「学部単位で動くのは10年前の阪神・淡路大震災以来では」と話す。
今回は学部の募集でボランティアを集めたが、「災害が起きた時に即応できるように、学生がボランティアをコーディネートできる仕組みを大学全体で組織化できれば」と松岡助教授。例えば、松岡助教授は、遠隔地の災害派遣に対応できるように大学が授業日程を調整するボランティア・ウィークなどを提案する。実際に、学内でボランティアに関わる学生の間では授業の関係で新潟県中越地震などの支援に行きにくいとの声もある。
松岡助教授は「震災を経験した神戸大なら出来るのではないか。今回のボランティアはその実践の第一歩」と期待をかけた。
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