川西祐三郎版画展 大学の風景、市民も鑑賞

 「神戸大学のある風景・版画家川西祐三郎が描く『神戸大学全十八景』」が、12月5日まで神戸大学百年記念館1階展示ホールで特別公開展示された。作品の中には今年新たにできた海事科学部の校舎も。学内からはもちろん、市民も多く訪れた。【12月5日 神戸大NEWS NET=UNN】

 百年記念館1階展示ホールの中は淡い照明に照らされ、奥に行けば神戸大の各学部校舎など18作品に加え、神戸をテーマにした3作品が展示されている。国際文化学部など学生が見慣れた風景が見事に表現されている。作品の中には今年新たにできた海事科学部の校舎も。12月2日には入場者が1000人を超えた。

 神戸大は平成元年から百年史(平成2年までは五十年史の予定だった)の編集を開始。平成3年には『神戸大学史紀要』を作成した。この表紙に特徴を持たせようとした。医学部の岡田安弘教授(当時・現名誉教授)が川西氏を紹介、依頼してこの作品の作成が始まった。
 展示されている作品は全て本来作者の手元におかれるアーティストプルーフ(AP=artist proof)、「製作者の保証付き」といわれる版。これらは神戸大が特別に受け取ったものだ。

 神戸大学百年氏編集室講師の河島真さんは「作品は印刷物の表紙などに使われているが、作品そのものの色はでない。印刷物でない感慨を受けてもらうためにも、原物の版画を見るという貴重な機会にぜひ訪れてほしい」と言う。また、「今回は新聞のほか情報誌に載せてもらったり折り込み広告などで、大学が市民との接点を持つきっかけとなるように工夫しました。アンケートには大学には普段入りにくかったけれども、入るきっかけとなったというコメントもあり、成果があったと思います」とも述べた。

 今朝の神戸新聞を見て訪れたという宮坂宏樹さん(経営・1966年卒)は「神戸を題材とした川西祐三郎さんの父、英さんの絵を昔から見ていてとても気に入っていました。祐三郎さんの方はあまり知らなかったのですが、新聞に似た感じの絵が掲載されていたので、1度現物を見てみようと思った。」と語る。「神戸大学を題材とした作品だったので、見慣れた風景を見て、懐かしく思った」と卒業生らしい思いも。
 川西氏は作品に対して「学舎ばかりでどのような作品になるか不安だったが、キャンパスの姿を楽しく描けた。芸術家にとって楽しく作品を作れることはとてもよいことだ」とコメントを残している。(記者=田中義久)

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