手負いのイノシシ 六甲台から姿消す

 神戸大六甲台キャンパスに、2月下旬に左の前足を失ったイノシシが現れた。浅い穴を掘って寝そべっている姿が目撃されていたが、3月4日の目撃を最後に、このひと月の間姿を消している。【4月3日 神戸大NEWS NET=UNN】

2月下旬に三木記念館前にあらわれる

Photo 神戸大六甲台キャンパスにある三木記念館前に、2月下旬に一頭の手負いのイノシシが現れた。このイノシシは左の前足を失っていて、浅い穴を三木記念間前の茂みに掘って寝そべっている姿をたびたび凌霜会事務局スタッフに目撃されていた。
 第一発見者は、凌霜会事務局の田中稔さん(昭40・経営卒)。事務局が12月末に移転してきて、ちょっと落ち着いた2月24日昼「偶然、昼寝をしているのを、記念館外で一服しているときに見つけた」と言う。

 記者は田中さんからの一報を受け、次の日の2月25日11時ごろ発見。写真にパチリと収めた。イノシシは、血は流していないが、不自由そうによたよたと三木記念館周辺の階段や道を歩いていた。
 以前からの三木記念館の“住人”の経済研究科講師室の中野牧子さんは「確か2月28日か3月1日に初めて見ました」と証言。
 「(ケガをしたイノシシは)初耳です」(経済・4年)や、「この辺りはよく来るけれども初めて知りました」(経営・4年)など、学生にはあまり知られていない。

駆除用のワナで足にケガ?

 なぜ、けがをしているのか?六甲台の守衛さんによると「三木記念館周辺はイノシシ駆除用のワナが仕掛けられてあるから、これにかかったのでは」という。
 王子動物園などに問い合わせると、イノシシの肘に当たる部分から先がないことから、棚バサミなどのワナにかかった可能性が高いと言う。イノシシは逃げるために、自分の足を噛み切るという。
 仕掛けられているワナについては、灘区役所まちづくり推進課の甲斐さんは、「猟友会の摩耶支部に捕獲依頼を出して、灘区の人気の少ない山すそや斜面に仕掛けています」という。

イノシシに手指を食いちぎられる被害も

 イノシシの被害に悩まされている東灘区役所まちづくり推進課の坂井さんに手負いのイノシシの危険性について尋ねると、「他のイノシシと同じくらいだと思います。ただケガをしている分、他のイノシシよりも慎重になっているかも」とコメント。浅い穴を掘って、そこで寝ていると言う様子から、「住み着いたのかもしれないし、ちょっとした休憩ポイントとして場所を作ることはある」と説明。冬の間、オスはメスを求めて動くというイノシシの習性から、一時留まってるだけなのかもしれないという。

 灘区の記録によると、平成15年度は94頭をワナで捕獲。
 平成15年は区内で2件、16年度は4件の人身事故が起きている(驚いて転倒したなどの二次的被害も含む)。
 神戸大キャンパス内には、10年ほど前からイノシシがうろつき、大学が注意を呼び掛けたこともある。震災前には、篠原台あたりがテリトリーだったが、避難所になった国際文化学部体育館で餌付けされたり、生協食堂の残飯をあさる姿も見られたりしていた。
 これまでに神戸市内では、突進されて牙で裂傷を負ったり、手の指を食いちぎられるなどの「事故」も発生している。油断は禁物だ。

 イノシシはその後、3月4日の目撃を最後に、姿を消した。最後に目撃した凌霜会の原田昌代さんは「どこに行ってしまったのかなと心配です。いなくなっても、ときどき茂みをのぞいてしまいます」と話す。
 イノシシの生態などについて、参考は神戸市東灘区役所 http://www.city.kobe.jp/cityoffice/81/inosisi/参照。


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