附属病院放射線科が 新たながん診断法

 5月23日付朝日新聞朝刊によると、神戸大医学部附属病院放射線科の杉村和朗教授らは、MRI装置で体内物質の量の変化を調べて患部の性質をあぶり出す、新しい診断法に取り組んでいる。「MRスペクトロスコピー(MRS)」と名づけられ、3年前に導入した。【5月23日 神戸大NEWS NET=UNN】

 MRSが対象とするのは前立腺がんだ。正常な前立腺の細胞にはクエン酸が多く含まれているが、がんになるとクエン酸が急激に減る。一方、細胞膜の材料になるコリンが通常より増えていれば、盛んに細胞が増殖していることがわかる。この二つの物質の変化が同時に見つかれば、がんである可能性がきわめて高くなる。
 従来の画像診断では前立腺の異常が炎症なのかがんなのかは判断できない。これまでは組織を採取して調べる検査(生検)をするしかなかった。  現在は生検と併用しているが、将来はMRSだけで確定診断ができるのではと期待されている。

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