アフリカで昨年ボランティア活動をした北田浩嗣さん(経済・4年)が、ウガンダの心臓病を持つ10歳の少女ナニャンゲちゃんを救おうと募金を始めた。手術には最低1万3000ドル(日本円=約200万円)が必要となる。季節によって病状が変化するため、「夏までには資金を集めたい」としている。【6月26日 神戸大NEWS NET=UNN】
<アフリカで出会った少女>
あしなが育英会で活動する北田浩嗣さん(経済・4年)は、去年4月アフリカのウガンダに渡り、エイズ遺児のケア施設「レインボーハウス」で1年間活動した。そこで出会った、心臓病の10歳の少女ナニャンゲちゃんを救おうとこのほど立ち上がった。
北田さんが代表をつとめる「ナニャンゲ・レジーナちゃんの心臓手術を支援する会」では、手術には最低1万3000ドル(日本円=約200万円)が必要で、季節によって病状が変化するため、「夏までには資金を集めたい」としている。
<死が身近な国、ウガンダ>
ウガンダは、アフリカにある赤道直下の国で、エイズ遺児が最も多いと言われている。ウガンダでは電気や水道が十分供給されず、湧き水や雨水を飲んでいる状態が続いている。
ナニャンゲちゃんが住むナンサナ村の人口は約8千人。そのうち1200人がエイズ遺児と言われている。「レインボーハウス」での活動に加え、病院でもボランティアをしていた北田さんは「1ヶ月に2、3人は身の回りの人が亡くなったという話を聞いた」と深刻な状況を話す。
<「友達」を助け、貧困の現状を知らせたい>
ナニャンゲちゃんは父親をエイズでなくし、現在は母親と二人暮らし。母親は、英語ができず、経済的にも貧しい家庭だ。ナニャンゲちゃんとは、レインボーハウスのケアプログラム(エイズ遺児のサポート)を通して知り合った。20~30m歩くと、息が苦しくなってしゃがんでしまうナニャンゲちゃんの病状は、季節により変化するため、入退院を繰り返していた。
ウガンダで生活し始めて9ヶ月がたったころ、ボランティアをしていた病院の隣の病院にナニャンゲが、入院していた。ある日、ナニャンゲちゃんの面倒を見ているおばさんが「There is your friend.(あなたの友達がいるの) 」と北田さんに話しかけてきたという。「friend」という言葉に、北田さんは自身とナニャンゲをケアプロゲラムをする人される人ではなく、友達としてみることができたという。それから「自分のできる範囲で友達を助けたい」と感じるようになった。
「ナニャンゲ一人で何が変わる?」と友達に言われたこともあったが、「日本の人にナニャンゲを支援することで、貧困地域の現状を知り、感じてほしい」と思い、支援する決意を固め、準備を進めた。
<早期の手術が必要>
ナニャンゲちゃんの心臓病の正式な病名はファロー四微症。心臓周辺の重要な動脈が細く、心室も区切られていないなど4つの特徴がある。
肺からの酸素の多い血液と、全身からの二酸化炭素の多い血液が混じってしまうため、少し体を動かしただけで息苦しくなってしまう。
手術なしでは改善の可能性はない。10歳以上になると成長期に入るため、手術の難易度が高くなるため、10歳のナニャンゲちゃんには早期の手術が必要だ。
しかし、ウガンダには開胸手術の設備のある病院がないためインドでの手術を考えている。渡航費や雑費を含め、手術のために必要な費用は最低1万3000ドル(日本円=約200万円)。季節によって病状が変化するため、夏までには資金を集めたいと考えている。
「ナニャンゲ・レジーナちゃんの心臓手術を支援する会」への募金は、郵便振替口座00990-6-191072まで。金額はいくらでもかまわない。
詳細はホームページhttp://nanyangeheartoperation.ameblo.jp参照。
神戸大学内でも、イベントを開くことを考えている。
北田さんへの応援メッセージや、「ナニャンゲ・レジーナちゃんの心臓手術を支援する会」への質問、問い合わせは、nanyange@hotmail.co.jpまで。
【写真下】ナニャンゲちゃんと母。(ウガンダで いずれも北田浩嗣さん提
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