共同通信が7月26日に伝えたところによると、神戸商船大(現神戸大海事科学部)院生の浦中邦彰さん(当時27)が殺害された事件で、被害者の母親が兵庫県警の不適切な捜査を理由に県へ1億3700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高等裁判所で行われた。大阪高裁は、県警の捜査ミスと被害者死亡の因果関係を認め約9700万円の支払いを命じた1審判決を支持し、県側の控訴を棄却した。【7月26日 UNN】
松山恒昭裁判長は判決の理由として「現場での捜索や暴力団組員の職務質問を怠るなど権限の不行使は不合理で違法。警察官は浦中さん殺害を予見できた」と述べた。
浦中さんは2002年3月4日未明、神戸市西区の路上で、車の停車位置が悪いなどと言い掛かりをつけた暴力団組長らに車で拉致され、数時間に渡り暴行を受けた末、川べりに放置され殺害された。
神戸地裁は昨年12月に下した判決で「暴力団の車に閉じ込められた浦中さんを捜索しないなど対応は著しく不適切。暴行を受けて死亡することを予見でき、ミスがなければ救出できた」と警察官の怠慢を厳しく批判。県警側は控訴審で「対応は適切。死亡は予見できなかった」と反論していた。?
判決後の会見で、浦中さんの母親は、「一審に引き続き、県警を運営する兵庫県の責任が認められたことに安堵しています。18名もの警察官が現場に到着しておきながら、目の前の邦彰を救えなかったという事実を、もっと深く重く受け止めてほしい」と語った。 【7月26日 神戸大NEWS NET=UNN】
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