神戸大経営学部は、夜間主コースの来年度からの新規募集を停止する方針だ。産業界からの期待が大きいMBA(大学院経営学研究科の専門職学位課程)の定員を増やし、社会人教育に力を入れる。学生への説明会は、後期開始後の10月11日に行う。【9月21日 神戸大NEWS NET=UNN】?
経営学部夜間主コースが設置されたのは1947年。戦争中に大学で学べなかった人を対象に、勉学の機会を与える目的で受け入れが始まった。以来、勤労学生の学びの場として役割を担ってきたが、ここ数年では定員20名のうち勤労学生は毎年1、2名にとどまっている。
同学部では、夜間主コースのあり方が10年以上前から懸案となっていた。大学院経営学研究科長の櫻井久勝教授は「夜間主コースの実態は、本来の目的から大きくかけ離れてしまった」と話す。「夜間主を受験する学生の大部分が、昼間に授業を行う私立大を併願しており、入試合格者の多くが夜間主に入学しない実態がある」と続けた。
同コースの学生の多くは「夜間でなければ勉強できない」実状にあるわけではない。入学後1年以内に退学し、夜間部のない他大学を受験する。あるいは年間10単位を上限として認められる、同学部昼間主コースの授業科目を履修する学生数の増加。こうした背景が今回の募集停止につながったと見られる。
一方、同学部は来年度からMBAプログラムの募集人員を15名増やし、54名から69名とする。「夜間に授業を行うなど(MBAは夜間主コースと同様)勤労者向けの教育である共通点を持つ」と櫻井教授。MBAプログラムが産業界で需要が高まっている点を指摘する。夜間しか授業を受けることができない社会人への教育を充実させるため、夜間主の教育資源をMBAへ充てるという。志願者が、募集人員に対し3.2~4.5倍となっている背景もあり、大学として受験生の期待に応えたい方針だ。
同学部は、平成17年4月及びそれ以前に入学した学生が卒業するまでは、在学生のため夜間の授業を継続する。学生に対し10月11日に説明会を開くことを掲示板で通知している
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