六甲台グラウンド近くに建つフロンティア館。今回の企画は同館3階プレゼンテーションホールで行われている。附属図書館やボランティア団体、神戸市役所などから提供された資料をパネル展示で紹介し、復興の過程やまちづくりの取り組みを伝える内容となっている。【11月12日 神戸大NEWS NET=UNN】
例年、学園祭を運営する六甲祭実行委員会だが、震災から10年を迎えるにあたり「自分たちにも何かできないか」と考えた結果、今回の企画に行き着いたという。今年の春に計画され、神戸市の関係者から自分たちの友人まで、実行委員は多くの人の声や資料を集めた。
「六甲祭を中心に活動している自分たちにとって、今回のことは専門外。(六甲祭の日までに)資料を集めるのが大変だった」と話すのは実行委員室内企画局の小泉久美子さん(国文・3年)。二日目に行われるボランティア関係者の講演で進行を務める。10年が過ぎ、神戸から震災の記憶が薄れていることを実感したという。
「アンケート調査をしたとき、学生よりもむしろ年配の方からいろいろなエピソードが出た。学生は『覚えていない』という声が多かった」と振り返る。実行委員会が作成したアンケート調査は、数日前に冊子にまとまったばかりで、現在会場で閲覧可能となっている。六甲祭終了後、冊子は震災文庫へ寄贈される。
今回、展示会と合わせて実行委員会では、ミニモニュメント「たまご」が用意された。内側にハートをかたどった卵型のモニュメントで、六甲祭の期間、中庭インフォメーションに設置されている。
あえて外側を汚して作られたモニュメントに、来場者が白い紙を貼り付けることで、六甲祭が終わる頃にきれいな卵ができるというもの。テーマの「人の力」を目に見える形で表現する。小泉さんは「震災からの復興という意味で、わかりやすく伝えていければ」と話す。より多くの人に協力してもらえるよう、実行委員では企画への参加を呼びかける。
二日目の午後にはボランティア関係者の講演会が開かれる。10年目に実現した新企画だ。
●「震災から10年~人の力~」講演会
▽11月13日午後1時半~午後2時15分
▽フロンティア館3階プレゼンテーションホール
▽講演者(敬称略)
田中保三:(株)兵庫商会代表取締役
宮定章:阪神・淡路大震災まち支援グループまちコミュニケーション代表
【写真右】ミニモニュメント「たまご」に紙を貼り付ける来場者。(いずれも11月12日・六甲台グラウンドメインステージで 撮影=森田篤)
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