学術協定結ぶ インドネシア政府と


 神戸大とインドネシア政府は、大学の新たなプログラムとして同国の学生を留学生として受け入れる方針を固め、3月16日に調印式を行った。調印式には、大学・政府関係者ら約30人が出席した。プログラムの対象者は現地の地方公務員。修了すればインドネシアと日本の修士学位を同時取得できる。【3月16日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 神戸大は2006年10月からデュアルディグリープログラムを開始する。これは、日本政府による発展途上国の高等教育を支援するプログラムの一環。神戸大が日本政府の呼びかけに合意し、覚書に調印する運びとなった。新年度以降、インドネシアから国際協力研究科に年間最大7人の留学生を迎えて実施される。

プログラムの具体的な内容
Photo 履修の対象となるのはインドネシアの地方公務員など。二年間のプログラムのうち、一年目は現地の各大学(インドネシア大、ガジャマダ大、バンドン工科大、ブラヴィジャヤ大)で英語や専門分野について学ぶ。二年目は神戸大で各自の履修分野に合わせた研究活動を行う。通常二年間で仕上げる修士論文を、来日期間の一年で、単位履修と同時に執筆しなければならない。
 通常よりも非常に厳しく多大な努力が必要になるが、修了すればインドネシアと日本の二つの学位を同時に取得することができる。
 神戸大が授与する修士号は、国際学、経済学、政治学のいずれか、インドネシア側はそれぞれの研究科の学位。神戸大での授業は基本的に英語で行われ、希望者は日本語の授業も取ることができる。
 インドネシア政府は、このプログラムを通して公的人材育成を狙う。
 神戸大としては現地の学生を受け入れることで国際貢献でき、研究の幅が広がる利点がある。

Photo今後の方向性
 プログラムは、6年間の期限で実施される。  神戸大以外に政策研究大学院大、筑波大、広島大、慶大などが調印。各大学では今後、個別の科目についての協定を結んでいく予定である。  国際協力研究科の太田博史研究科長は「インドネシアの人材育成にかける思い入れは理解できるので、できる限り頑張っていきたい」と語る。  留学生は現地へ帰国した後も、日本との橋渡し役として期待されており「両国の良好な関係づくりに役立てれば」(太田研究科長)としている。(記者=森田篤、西麻理子)


【写真右】記者の質問に答える太田博史研究課長。(3月16日 撮影=森田篤)?

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