EUIJ関西の本年度事業の一環として、バローゾ欧州委員会委員長が4月22日、神戸大に来学し、学生らに向けて「EUと日本のより良い明日のための戦略-知識のルネサンス-」をテーマに講演を行った。400人の学生らが応募し、会場に入りきれなかった人は別室のモニターで聴講する盛況ぶりだった。質疑応答の時間では、委員長が学生からの質問に丁寧に答えた。【4月22日 神戸大NEWS NET=UNN】
EUIJ関西とは、EUに関する学術研究拠点の促進、教育・広報活動の推進、および日・EUIJ関係の強化を目的として、05年4月1日、EUの資金援助により神戸大・関学・阪大からなるコンソーシアムに設立された組織。
会場には神戸大生のほか、多くの関学生や阪大生が足を運んだ。
バローゾ委員長は「将来の生活水準を守るためには、知識の共有が必要」と述べ、日本とEUとのさらなる関係強化が重要だと話した。
神戸大の女子学生(経済・3年)からの「EUはこれから、中央集権制をとるのか各国の主権を尊重するのか」という質問には「これからもさらなる統合を進めていくつもりだが、中央集権化を目指している訳ではない」と答えた。
質疑応答の後、野上智行神戸大学長からバローゾ委員長に神戸大名誉博士号が授与された。 満員で中に入れなかった神戸大の女子学生(経済・1年)は「直接話が聞けなかったけれど(委員長に)握手してもらった」と嬉しそうに話した。
神戸大工学部のフランス人留学生は「日本人には新しい内容だったかもしれないが、ヨーロッパではよく聞く話だった。しかしこのような講演が神戸大で行われたことには驚いた」と語った。
EUIJ関西代表を務める久保広正教授は「(バローゾ委員長の講演は)格調高いスピーチで、大変すばらしかった」と振り返る。学生とのディスカッションも、中身の伴ったものだったと話し、「学生がEUだけでなく、世界に目を向けるきっかけになれば」と期待を寄せた。
【写真中】身振り手振りを交え、学生の前でスピーチするバローゾ委員長。
【写真下】講演会後、バローゾ委員長に神戸大の名誉博士号が授与された。(4月22日・百年記念館六甲ホールで 撮影=森田篤)?
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