国際協力研究科のロニー・アレキサンダー教授が平和運動の一環として、平和について考えるための絵本を出版する。2005年に失った愛猫「ポーポキ」を通し、平和とは何かを問いかける。出版予定は2006年8月6日。【5月24日 神戸大NEWS NET=UNN】
アレキサンダー教授が絵本「ポーポキのピース・ブック」の執筆を決めたきっかけは2005年秋、子ども向けのピースクエスチョンブック(平和について考える絵本)の構想を練っているときに訪れた。 同教授は当初、絵本に掲載する問いかけにはある程度の答えを用意する必要があると感じた。問いかけをどう表現すればよいかとまどったという。以前から考えていた案は、愛猫「ポーポキ(ハワイ語でネコを意味する)」を登場させることだった。同教授は、2005年に天寿をまっとうしたポーポキの日常生活を振り返り、スケッチブックに色鉛筆を走らせたところ「自分の平和研究をまとめた(優れた)ものになった」と話す。1か月で日本語版、英語版が完成した。
こうして2005年12月には「ポーポキ・ピース・プロジェクト」が発足。DVD「ポーポキのピース・メッセージ」を公開後、現在は絵本の出版に向けた本格的な準備を進めている。
「平和って何色?」「平和ってどんな音?」。絵本の冒頭では、ポーポキの挿絵とともに、平和の色や音、感触やにおいなど五感に訴える問いかけが続く。
「正解なんてない。(平和の色は)白かもしれないし、青かもしれない。もし誰かが『ピンク』と言えば『なんで?』って議論になるでしょ」と同教授。健全な場で、互いに議論することが平和理解への第一歩だと考える。
一般には、戦争がない社会を平和と見なされることがある。同教授は「戦地で弾が飛ばなくなったら平和といえるだろうか。社会の根底にあるものが変わらないと、人間は同じことを繰り返す」と説明する。他人とコミュニケーションをとることで、よりよい解決方法が見つかる可能性が高まるという。「(この方法は)時間がかかるけどね。人間はみんな違うものなんだから、話し合い、考えることは必要」と訴える。
絵本「ポーポキのピース・ブック」は、読者を子どもに限定しない。「それぞれが『どのような平和をつくりたいか』あるいは『平和には何が必要か』考えるきっかけになれば」と同教授は話す。
絵本運動の参加者は、現在までに100人前後が名乗りをあげている。目標とする200人の参加者を、今年8月6日までに取りつけたいと同教授は語る。「読んでくれた人から意見を募り、多言語版も発行したい」と意気込む。ポーポキのピース・ブックに関する詳細はHP(http://popoki.cruisejapan.com/index.html)まで。
●「ポーポキのピース・ブック」(文・絵 ロニー・アレキサンダー)
▽応募方法
氏名、住所、電話番号、メールアドレスを明記の上、popokipeace@yahoo.coへメールを送信する。なお、ポーポキ・ピース・プロジェクトの支持者を中心とする電子メールグループへの参加希望者は、その旨を明記。
▽ポーポキ・ピース・プロジェクト
東京事務所 港区芝1-4-9 平和博物館を創る会 03-3454-5859
郵便振替口座番号 00170-9-593927
口座名称 ポーポキ・ピース・プロジェクト
ポーポキ平和募金は一口1500円。口数、金額に関わらず、本はひとり1冊。友人同士、家族でまとめて2口以上の場合は、参加人数もしくは参加者名を「通信欄」に明記。
▽出版予定日
2006年8月6日
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