第33回神京戦が6月10日、神戸大の深江グラウンドで行われた。神戸大は9-6で京大に勝利し、16勝16敗1分で星を五分に戻した。【6月10日 UNN】
神戸大は齋藤が先発。春季リーグの最終戦で阪大打線に無安打無得点試合を達成した絶対的エース。その投球に注目が集まったが初回、内野手のまずい守備からピンチを招き、連続適時打であっさりと2点を先制されると、2回にも1失点。神戸大はいきなり劣勢に立たされる。
しかし4回、神戸大は相手のエラーから作ったチャンスに余田、佃の連続適時打、さらには野選もからめ一挙4点を取り逆転。その後も5回に再び余田の適時打、6回には藤田洋平の2点適時打で追加点。7-3と京大を大きく突き放す。
8回にエラーから1失点するも、すぐにその裏2点をとって勝負あり。9回の京大の猛攻もなんとか2点でおさえ、9-6で勝利をおさめた。
だが注目の齋藤は速球、変化球ともにキレが悪く、序盤、終盤と京大打線相手にピンチの連続。9回に二者連続本塁打をあびるなど、完投したものの計6失点。捕手の余田(経済・4年)は齋藤について「スタミナの問題ではなく、今日は調子が悪かっただけ。カーブが持ち味の投手なので、秋に向けてさらに(カーブの)精度をあげていけば大丈夫」と落ち着いて分析していた。
「応援団など観客がたくさん来て緊張していたせいか、序盤は地に足がついていなかった」。中村監督は選手の守備についてこう振り返った。「年に一度の試合ということで、試合にかける選手の気持ちは強い。先制点をとられながらも、あきらめずに試合できた」とねぎらった。成田主将は、試合中に多かった守備の乱れについて「春前は守備中心のメニューだったため春(リーグ)で打てなかった。それを踏まえ打撃中心の練習をしたつけが出た」と分析した。
神京戦は、神戸大と京大が年に一度行う交流戦。神戸大は京大と異なるリーグに所属するため、普段の公式戦で顔を合わせることはない。一方、今年の春季リーグで神戸大が阪大より上位の成績をおさめたため「京大に勝てば関西の国立大でナンバーワンになれる」(中村監督)と神京戦への準備を進めてきた。33回目を迎えた今年、神戸大が勝利したことで、16勝16敗1分と星を五分に戻した。応援団の藤川達央団長(発達・4年)は「去年、今年と連勝した。自分が幹部のときに五分に戻せてよかった」と笑顔。「京大と神戸大はいろんな意味でライバル。これで同じスタートラインに立てたので、来年から(京大に)追われる立場になれるように勝ち進んでほしい」と硬式野球部にエールを送った。
来年以降の神京戦について成田主将は「(観客や応援団など)普段より関わる人が多いので、それにまず感謝したうえで、関西ナンバーワンを決める試合であると(選手が)自覚することが必要だ。『惜しかった』ではだめ」と指摘した。
●第33回神京戦(6月10日・深江グラウンド)
京大 210 000 012=6
神戸大 000 412 02X=9
【京大】●尾藤、安保、天満、山下-吉村
【神戸大】○齋藤-余田
【写真左】四回に右方向への適時二塁打を放つ余田。3安打2打点の活躍で最優秀選手に選ばれた。(いずれも6月10日・深江グラウンドで 撮影=森田篤)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。