ナニャンゲちゃん 心臓手術成功し帰国

 神戸大生らが呼びかけて始まった、アフリカの10歳の少女の心臓手術支援募金。このほど、ナニャンゲちゃんはインドでの手術が成功して、無事、母国ウガンダに元気に帰国した。「こんな贈り物をくださった日本の皆さんに本当にありがとうと言いたい」とメッセージを寄せている。【4月23日 神戸大NEWS NET=UNN】

執刀医も驚く回復ぶり

Photo 現地のNGO「ASHINAGAウガンダ」のスタッフ、佐藤弘康さんから4月23日に届いたメールによると、付き添いの看護婦さんと共に、3月31日無事インドから帰国。手術は成功し、術後の合併症などはまったくなく、執刀した医師も驚く回復ぶりだという。
 
 「帰国の日は、空港にお母さんや叔母さん、学校の先生も迎えに行き、ゲートから出てきたナニャンゲを大きな拍手で出迎えました。弟が駆け寄り、ナニャンゲに抱きつくといったシーンもあった」と、佐藤さん。
 病院の階段を1階ごとに休まなければ上がることのできなかった彼女が、今は付き添いの叔母さんを、置いてけぼりにしてスイスイと登って、まわりを驚かせている、と佐藤さんは伝えてきた。

 現地からの報告が、1か月も途絶えていたため、日本の事務局スタッフは気をもんでいた。
 3月10日に、「元気に感謝の気持ちを述べて、エンテベ空港発」、「帰国は23日の予定」。21日には、「先週手術が終わった模様。まだ退院していないが、元気とのこと」、という情報のあと、連絡が入らなくなっていた。
 飛行機の空席の関係で、インド滞在が予定よりも伸びたことと、佐藤さん自身がマラリアに感染してダウンしていたため、日本への報告が遅れていたためという。

事務局の学生も喜びいっぱい

Photo この募金は、あしなが育英会レインボーハウスを拠点に活動していた、神戸大経済4年の北田浩嗣さん、京大総合人間4年の渡辺文隆さんらが中心になって始めた。2004年にウガンダのエイズ遺児のためのケアハウスで活動中に、父を亡くした彼女と知り合った。帰国後「ナニャンゲ・レジーナちゃんの心臓手術を支援する会」を昨年6月に立ち上げ、大学生が中心になり活動をスタート。年末年始は、首都圏や近畿の学生らが街頭募金で支援した。
 渡辺さんは、3月末に卒業して社会人に。「心配をおかけしました。本当にありがとうございました」と、ほっとした様子。
 銀行に就職が決まったばかりの北田さんは、「いろんな人に支えられた。大きな力を感じます。しんどそうだったナニャンゲが、元気に階段を上るなんて考えられへん」と、喜びいっぱいだ。

「ダンスをしたい」「日本の皆さんありがとう」

Photo 食事も帰国直後はミルクやおかゆが中心だったが、いまは、ウガンダの人の日常食のマトケ(食用バナナをふかしたもの)や、ポーショ(とうもろこしの粉をお湯でふかしたもの)も食べているという。
 ナニャンゲちゃんは、「前よりもずっと体が軽くなって、胸の痛みも少なくなりました。元気になって家族と再会できて、本当に幸せです。今はダンスをしたり、学校で友達と勉強することを楽しみにしています。こんな贈り物をくださった日本の皆さんに本当にありがとうと言いたいです」というメッセージを、ブログに寄せている。

 ナニャンゲちゃんは、大人になるにつれ心臓に負担がかかり、生命に危険が及ぶ先天性の心臓疾患「ファロ-四徴症」で、日本では子どもうちの手術が定着している。現地ウガンダには手術できる病院がなく、高度医療が安価で受けられるインドへの渡航手術を勧められていた。
 「支援する会」事務局は、甲南大2年の倉富香奈さん、龍谷大2年の深川ゆりえさんらが引き継いでいる。約4500ドルの寄付金が残っているが、毎週の検査代や、病院までの交通費などに活用し、近く会計報告を作るという。


【写真中】家族や、現地のエイズ遺児ケアハウスで活動するあしなが育英会学生スタッフと。
【写真下】付き添いの看護師さんとインドに出発する。(3月10日・エンテベの空港で いずれも「ナニャンゲ・レジーナちゃんの心臓手術を支援する会」提供)

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