神戸大は10月23日付けで川崎重工業株式会社と「産学連携の推進に関する協定書」を取り交わしたと発表した。具体的に、両者の連携責任者を長とする戦略委員会と企画委員会、共同開発チームの設置が決まった。【10月23日 神戸大NEWS NET=UNN】
神戸大と川崎重工業株式会社はこれまでも環境エネルギーなど七つのテーマについて共同研究を実施してきた。だが、それは研究における一部分だけを神戸大が協力してきたという「包括的な連携」にすぎない。今回の「戦略的連携」では、研究を事業化することにより神戸大も川崎重工業株式会社と協力して研究の構想段階から終わりまで参加し進めていくことや、そのフォローアップを行うことが決定。新たな価値や事業を創出し、社会に貢献することを両者の共通理念とした。
「神戸大学さんの“知”をお借りして、テーマ探索はありますが一緒に(研究を)やらせていただく」と川崎重工業株式会社の松崎昭代表取締役常務は話す。特に、水の浄化・リサイクルといった水処理問題における知識などを借りたいという。また、「自然科学だけでなく社会科学の力も借りたい」とも話す。経営学部には研究の経済効果の算出などを求める予定だ。
今回、神戸大と川崎重工業株式会社の「戦略的連携」が決まった理由は「(川崎重工業株式会社は)物理的距離が近く、300人以上の卒業生がいる。すでに共同研究が進められていて連携がとりやすかった。また、海事科学部(旧・神戸商船大)の発祥が川崎重工にあるという浅からぬ縁もあるから」と神戸大の眞山滋之理事。この「戦略的連携」により、学生は川崎重工業株式会社へのインターンシップにおいて従来の実体験だけでなく、テーマに基づいた研究活動が可能になる予定。出来成人連携創造本部長は「学生さんはインターンシップなどで企業(川崎重工業株式会社)に行くことで自分のやっている研究の社会的ポジションがわかる」と話し、「川重さんの技術者が(神戸大に)来ることもでてくる。工学部にとって大きなメリットがある」と期待を膨らませた。(記者=西田健悟、濱田直毅)
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