六甲道商店街を脇にそれ、階段をあがる。白と黒で統一された店内に、静かな音楽が流れ、色とりどりのお酒が並ぶ―。そんな隠れ家的BAR「モノクロ」のマスターは神戸大生の石原松太郎さん(経営・2年)だ。「学生のためのBAR」をコンセプトに近く正式オープンする。【1月22日 神戸大NEWS NET=UNN】?
きっかけは約1年前。石原さんの2つ上の先輩たちが経営していたBAR「☆☆☆」(三ッ星)が 閉店した。客として通っていた石原さんは、閉店の日もそこいた。
「自分も学生のためのBARを開こう」。先輩に言われたわけではない。閉店の寂しさのなかそう思った。
それからバーで働き、開店資金とバーテンダーの知識を蓄えた。別の店で「お金はいらないんで」と知識を教えてもらったこともあったという。
数ヶ月が過ぎ、資金はたまっていくものの、他のメンバーを誘うあてがなかった。そんななか、石原さんが気になっていたのが「おしゃれで、雰囲気がいい」本田守武さん(経営・2年)だった。話したこともない彼を誘おうと決めたのが去年の7月。早くしなければ学校が終わってしまう。六甲台、国文、と学内中彼を探しまわった。 そして、バンド仲間としゃべってる本田さんを見つけた。「本田くんちょっと…」。初めて話す彼に「バーと開こうと思っている。仲間になってくれないか?よかったら連絡して」と、名前とアドレスを書いた手紙をそっと渡した。
しかし返事はすぐには返ってこなかった。「しゃべったこともないのに誘ってくれてうれしかった。でも資金的にも、うまくいくのかと不安だった」。本田さんは約1ヶ月後、断りのメールを入れた。それでも石原さんはあきらめなかった。直接会って「利益を出すのが目的じゃない。これで学ぶこともある」と説得した。そのとき、本田さんの気持ちが変わったという。
それからは石原さんを全面的にバックアップした。予定していた「☆☆☆」の跡地が10月突然使えなくなったとき、新しい物件のため不動産屋を回り奔走したのは本田さんだった。また「もう誘うやつがいない」と困る石原さんに料理の経験がある友人など3人を紹介。こうして8人の学生が集まった。メンバーが「ラブレター」と笑う手紙がなかったらつながらなかった8人。
卒業まで2年間。期限付きの経営となる。その間、メンバーの人件費は出ない。その分学生に安くお酒を提供する。「学生が集まり、出会いの場になれば」と石原さん。それでもメンバーのほとんどが経営学部。 ”一定の赤字が2ヶ月続けばやめる”と決めている。
現在は友人や口コミだけのプレオープンの状態。近くメニューやチラシを用意し、正式オープンする。 「将来『この店が好きなんです。継がせてください』という後輩が出てきたら、譲りたい」と夢を膨らます。 CAFE&BAR「モノクロ」はまだ始まったばかり。学生が集まり、勉強や恋の話に花咲かせるまでもうすぐだ。
CAFE&BAR 「モノクロ」
〒657-0028
神戸市灘区森後町2丁目2-9ハイゾン森後2F(大阪王将の上)
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