少子化問題について考えるシンポジウム「少子化時代を生きる」が2月17日、百年記念館六甲ホールで行われた。主催は神戸大経済経営研究所と兵庫県。会場には多くの聴衆が集まった。【2月17日 神戸大NEWS NET=UNN】
神戸大経済経営研究所と兵庫県は2006年11月に少子化問題に関する研究を連携・協力して行う協定を結んだ。大学側の目的は県と協力して少子化問題の研究を行い、社会貢献すること。同シンポジウムは、両機関の連携を記念して開催された。
開会の挨拶で、神戸大の野上智行学長は「少子化問題について、兵庫県と神戸大学が一緒に取り組み、兵庫県を(少子化問題を解決した)一つのモデルとしていけたら」と期待を寄せた。
神戸大経済経営研究所の後藤純一所長は講演で、少子化の現状と展望について説明した。経済的な事情で、女性は結婚したいのにすることができず、子供を産みたいのに産めない状況にあると指摘。一度仕事を辞めた女性の職場復帰が難しい社会システムの実態についても紹介した。
講演のあと、神戸大の教授や学生、兵庫県の清原桂子理事、連合兵庫の長谷川俊副事務局長ら6人によるパネルディスカッションが行われた。その中で、神戸大総合人間科学研究科の伊藤篤教授は子育てにおける支援システムを整えることの重要性を強調。「1ヵ所で全てのニーズを満たせるようにできないか」と出産・育児に関する総合的な地域施設の設立を提案した。学生の森元まゆみさん(文・3年)は若者の視点から少子化問題を検討した。子供は欲しいが仕事をしたい、子供を産んだら仕事が続けられないといった若者の声を紹介。多様な福利厚生を実現し、子供を産み育てやすい社会を実現しているフランスを例に挙げ、「(子供を産むことへの)不安を取り除く対策を(行政が)とってくだされば社会が変わるのでは」と意見を述べた。
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