不登校児との触れ合い ボランティア実習

神戸大学ボランティア講座の一環で、神戸大生によるボランティア体験実習が行われている。講座に参加し、体験実習を希望している神戸大生は5つのテーマのうち1つを選択し、テーマに沿ったボランティア活動をグループに分かれて体験する。2月20日、「不登校児の居場所」をテーマにしたグループが、不登校児の教育をしている神戸フリースクールで体験実習を行った。【2月20日 神戸大NEWS NET=UNN】

 神戸フリースクールは私塾「冬夏舎」時代を含め、約20年の歴史を持つ。阪神・淡路大震災で当時のフリースクール校舎は全壊しフリースクールは一時休校に。だが、「ここが終わったらどこにいけばいいのか」と保護者からの手紙など支援者の励ましにより、代表の田辺克之さんはフリースクールを再開した。フリースクールには主に、学校内のいじめや人間関係のこじれが原因で不登校になった生徒が通う。普通の学校のような決まった時間割はなく、登下校時刻が自由なことが特徴だ。
 今回の実習に6人の神戸大生が参加。田辺さんは学生らを庭に招待し、自己紹介の時間を設けた。自己紹介中、田辺さんは要所に突っ込みを入れ、学生らの笑いを誘った。その後、庭掃除班と調理班に分かれ、それぞれ作業に移った。
 庭掃除中、フリースクールの生徒が手伝いに参加。「先生、次何するの」と生徒の元気な声が庭に響いた。手伝いに参加した生徒の1人、リカちゃん(仮名)は「(田辺)先生は普通の学校とは違うことをするから面白い」と話す。
 料理班では、神戸大生が中心となってハヤシライスを作った。校舎内で生徒は本を読んだりギターを弾いたりと、それぞれ思い思いに過ごす。料理中に手の空いた神戸大生と談笑する姿も見られた。
 料理が完成し庭掃除も一段落すると、校舎内で神戸大生、生徒らが交じって昼食をとった。「(生徒と)一緒に仕事をし、ご飯を食べたらコミュニケーションをとりやすくなる」と田辺さん。
Photo 午後は全員で中央体育館に移動した。円陣を組んで喋りながら体操した後、学生と生徒が交じって卓球を行った。神戸大生が生徒から卓球の指導を受ける姿が見られた。卓球が終わるとほとんどの生徒は帰宅。神戸大生らはフリースクールでミーティングを行い、第一日目を終えた。実習最終日の第二日目は参加者の都合のよい日にそれぞれ来校する。田辺さんは「二日と言わずいつでも来てほしい」と話した。
 フリースクールの活動を田辺さんは市民活動という。フリースクールは町の中にある開かれた学校だからだ。今、地域の中で子供の存在が小さいと田辺さんは危惧する。「足並みをそろえようとする大人が多すぎる。障害のある子どもを排除するのでなく真剣に取り組んでいかないといけない」(田辺さん)。

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