神戸大工学部の応用化学科が平成17年までの10年間、学科生から徴収した「学生実験費」総額100万円を本来の目的にほとんど使わず蓄積。急遽、平成17年度内に実験用器具や備品購入に充てていたことがわかった。大学は4月17日に緊急記者会見を開き、「私的流用はなかった」と釈明した。【4月17日 神戸大NEWS NET=UNN】?
同学部によると、実験費は平成8年度前期から平成17年度前期まで3年生対象の初回実験ガイダンスで学科生から前後期各500円ずつを徴収していた。ガイダンスでは、実験で鉄のイオンを分析するため、牛乳などの実験試料を購入すると説明。しかし、実際は10年間で、実験試料は約2万円分しか購入されておらず、残った約100万円が応用化学科の口座に蓄積したままにされていた。?
ところが、平成17年4月に、信州大で学生から徴収したコピー代の一部を不正流用していたという報道があった。それを受け、同年5月に同学科は徴収した実験費のほとんどが蓄積されたままである状況は「(同様に不正流用の)誤解を受ける可能性がある」と判断。実験費の見直しを審議し、平成17年度後期からの徴収が廃止された。100万円は卒業生への返金が困難であったため、同年度内に学生更衣ロッカーなどの備品や実験器具を購入し全額を使用したという。?
記者会見で、森本政之工学部長は「学生の搬出金を当初の目的どおりに生かしきれなかったことを反省しています」と話した。実験費を搬出した卒業生には今後、同窓会報で経緯を説明するなどして理解を求める予定。
同学科の男子学生(工・3年)は「実験費を徴収するのを10年間も続けなくても徴収の必要はないと分かっていたはず。こんなことは二度とないようにしっかりしてほしい」と話している。
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