鮮やかな先制劇だった。初回だ。先頭打者の松本(工・4年)が右前安打。続く北野(発達・3年)がきっちり送り、3番兼元(経営・4年)が四球で出塁。4番下濱(経営・3年)が右前安打で一死満塁とすると、5番の藤田(発達・4年)がセンターへ走者一掃の3点適時2塁打を放つ。6番林英樹(工・4年)も追い討ちをかけ、一挙4点を先制。2回も下濱の2点適時打で追加点をあげ、序盤から打線が爆発し先発の齊藤を大きく援護した。
勝利の影には、中村監督の采配がある。これまで、1番北野と2番松本の並びは不動だった。だが、「松本の方が練習でバッティングがいい」。中村監督は1、2番の順序を入れ替え、打撃不振の藤田を5番に。3番には6試合連続安打中だった兼元を据えた。格下とはいえ、のせると怖い奈良大に対する積極的な打順の変更が、初回の猛攻につながった。さらに、ここ最近、中村監督は選手らに右打ちを徹底的に練習させてきた。「右へ打ったら打てる」(中村監督)。この日、下濱は4打数4安打の固め打ち。その全てが右方向への打球だった。
「(打順変更が)見事に当たった」と中村監督。「うちがしっかり守備、バントすれば勝てる」(中村監督)。18イニング続いていた無得点からも開放された。
残すところ、リーグ戦もあと2試合。「あと何とか残りを勝つ」(中村監督)。神戸大は基本に忠実な野球で、最後まで戦い抜く。
●近畿学生野球春季リーグ第5節1回戦(5月9日・南港中央野球場)
奈良大 000 020 100=3
神戸大 420 010 00 =7
【奈良大】●水谷、篠原-松下
【神戸大】○齊藤-河嶋
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