阪神淡路大震災の犠牲者の慰霊碑などを巡る「震災モニュメント交流ウオーク」が6月17日に行われ、参加者は神戸大深江キャンパスにある旧神戸商船大の慰霊碑などを訪れた。【6月18日 神戸大NEWS NET=UNN】
「震災モニュメント交流ウオーク」はNPO法人・阪神淡路大震災「1.17希望の灯り」が主催し、今回で39回目となる。参加者は、神戸市東灘区のJR摂津本山駅から出発し、神戸大の白鴎寮や深江キャンパスにある旧神戸商船大の慰霊碑などを巡った。
神戸大では、元海事科学部の学務課長の岩坂久吉さんと現講師の有田俊晃さんが案内役を務めた。
震災当時、旧神戸商船大の白鴎寮生約250人は付近の住民約100人を救出した。その時、有田さんは同大の3年生。寮の自治会長として、寮友とともに救出活動に参加した。白鴎寮には、当時の寮生らの活躍を残す碑がある。碑の前で、有田さんは参加者に当時の体験談など話した。
現在では、碑の存在を知らない寮生も多いという。震災の記憶が薄れつつあることに、「悲しいかぎりです。でも、わかってる人はわかってる。それをあえて我々から強制的にすり込ませなくてもいい」と有田さん。
深江キャンパスにある旧神戸商船大慰霊碑には学生5人と研究者1人の名前が刻まれてある。慰霊碑は今年の1月17日に完成の除幕式が行われた。慰霊碑建立の中心となった岩坂さんは参加者に建立の経緯を説明。遺族と連絡をとり、許可を得たという。参加者は慰霊碑に献花し、手を合わせた。岩坂さんは「こういう被害(震災)の関係と対策は語り継がないと。学生さんなんかも含めて」と話す。
「1.17希望の灯り」の理事長である白木利周さんは慰霊碑について「遺族の皆さんにとって会いに行ける場所ができてよい」。自身も震災で当時神戸大経済学部?の3年生だった息子の健介さんを亡くしている。「気持ちのうえであるのとないのとでは全然違う」と白木さんは話した。
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