マーシャル教授が講演 学生らでほぼ満席

神戸大医学部は6月19日、講演者にヘリコバクターピロリ菌研究者のバリー・マーシャル西オーストラリア大教授を招いて「神戸大学医学部創立60周年記念講演会」を楠キャンパスで午後6時半ごろから行った。ノーベル賞受賞者を一目見ようと、200人を超す学生や研究者らで会場はほぼ満席。立ち見する姿も見られた。【6月19日 神戸大NEWS NET=UNN】

 日本で一般的にピロリ菌と呼ばれる細菌の正式名称はヘリコバクターピロリ菌という。ヘリコバクターピロリ菌は胃炎や胃癌などの原因で日本人の約50%が感染しているといわれるが、ヘリコバクターピロリ菌に対する決定的な予防策、ワクチンは現在ない。
 1982年、マーシャル教授が研究中にヘリコバクターピロリ菌を発見。ヘリコバクターピロリ菌の人体への影響を確かめるため、自ら菌を飲み込むという人体実験を行った。その後ヘリコバクターピロリ菌の研究成果が認められ、マーシャル教授は2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
 講演会に先立っての記者会見でマーシャル教授は日本の学生、研究者に向けて「好奇心を持って研究を行ってほしい。私自身も好奇心から胃の研究を始めて、研究を楽しめた。ヘリコバクターピロリ菌の研究が日本で盛んなのを見ると、日本人にも好奇心を持って(研究を)やる伝統があると思う」と話した。
 「ヘリコバクターピロリの発見~既成概念からの脱却~」と題した講演会で、マーシャル教授は学生や研究者に向けて研究の教訓や、ヘリコバクターピロリ菌の研究や自身の体験談などを通訳なしの英語で話した。講演会におとずれた男子学生(医・5年)は「楽しめた。周囲に反対されながらも20年間(ヘリコバクターピロリ菌について)研究し続けたことはすごいと思う」と話した。講演後、マーシャル教授の希望で学生らとの記念撮影を急きょ実施。撮影後マーシャル教授にサインを願う学生らの姿が見られた。
 マーシャル教授は滋賀県大津市に移動して、6月20日に行われる「13回日本ヘリコバクター学会」に出席。21日と22日に大津市で講演会を行い、25日関西国際空港からオーストラリアへ帰国する予定。(記者=)

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