特集・変わる大学教育 経営学部・研究科

神戸大学経営学部・大学院経営学研究科は、経済学部・法学部とともに神戸高等商業学校の流れを汲み、特に経済学、経営学の分野を中心に一橋大、大市大とともに「三商大」のひとつとして長い伝統を持っている。時代と企業の要請に応えて、机上の理論のみの探求ではなく実際の企業経営に生かせる経営学を身につけた人材の育成を理念に掲げる同学部・研究科にせまる。【12月3日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 経営学部・大学院経営学研究科では、1998年から大学院を基本とする大学院重点化を進めてきた。大学院内では、学位(課程博士)の学位取得を目的とし、高度な経営学の教育や研究に従事しうる研究者育成のためのカリキュラムである既存の「PhDコース」に加えて、現在のキャリアをさらに豊かにするために経営学の知識を求める社会人を受け入れて大学院教育を施す「社会人MBAコース(社会人MBAプログラム)」を設置。2つのコースにおける教育が目指す人材の像は違っているが、理論にも応用にも偏り過ぎないバランスのよい人材育成のために2つのコースは常に相互の融合が図られている。?

 大学院重点化に伴い、同学部にも大きな変革がおきている。学部の学科体制は従来の経営学科、会計学科、市場システム学科、国際経営環境学科の4学科制から、経営学科のみの1学科制へ再編された。経営学科内には、区分として経営学分野、会計学分野、市場科学分野の3つの専門分野があり、学部生はそのいずれの科目も自由に学ぶことができる。また大学院のみならず、学部内での更なる高度な教育を実現させるため、2001年からは公認会計士や税理士などを育成することを目的とした「会計プロフェッショナル育成プログラム」を開設。これは早期卒業制度を利用した、学部3年に加え大学院2年の5年一貫システムに基づいており、学部教育と大学院教育相互の連携があって初めて実現する新たな取り組みである。また経済学部に先立って、平成18年度より、夜間主コースの募集を停止。その分大学院の入学定員を増やし、社会人に対する教育の役割は同大学院が担うことになった。?

 正司健一・神戸大学経営学部長及び大学院経営学研究科長は、現代の大学教育に求められていることはノウハウ的なテクニックを施すことだけではなく自らが現実を見つめて考え、提案し、反対意見を聞き、考えをより構造化させていく『考える力』であることを強調した。「神戸大学経営学部で学びながら、この実践知(能力)を経営学の側面からトレーニングしていく上で、経営学部には経済学部とは違った選択肢がたくさん用意されている。だが、神戸大では経済・経営・法の3学部は相互の授業を自由に選択することができるので、神戸大学経営学部で広い範囲から学び、『考える力』を養っていただきたい。そして企業に就職しても、その知識を尽くして社会に貢献できる人材に育って欲しい」と話した。

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