神戸大学演劇部自由劇場による秋冬連続公演の第2弾、「ナイスエイジ」(脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 演出:堤佳奈)が12月14日から16日にかけて、伊丹市のAI-HALLで行われた。普段、公演を行っている六甲台講堂とは違う会場にも関わらず、多くの観客が訪れた【12月17日 神戸大NEWS NET=UNN】?
出発は2000年。博打好きの父、アルコール中毒の母にだらしない子どもたち。駄目な雰囲気を全身から醸し出す廻(めぐり)家の4人は、偶然にも別の時代にタイムスリップしてしまい、過去の自分や未来の子孫に遭遇。一家は行く先々の時代で歴史を変え、やがて収拾がつかなくなってしまう。
「人間のかっこわるさを出したかった」と今回のポイントを語ったのは演出を手掛けた堤佳奈さん(文・2年)。あえてドラマチックに見せず、「どんな時代も人が必死に生きているのは同じ」と不器用ながらも強く生きる人間の姿を笑いを交えて表現した。
今回、いつも練習や公演を行っている六甲台講堂からAI-HALLに舞台を移した。外部の施設で公演を行うのは、現在の自由劇場の多くの団員が初めてだったという。それに加えて、時代を移動するという演出の関係上、セットの種類が増え準備にかなりの時間を要した。堤さんは、「何もかも手探りで慌しい公演だった」と苦労を語った。?
主役を演じていた部長の横山司さん(発達・3年)は「(六甲台講堂に比べ)舞台が広いが観客との距離が近く、反応が直に伝わってくる」と、演じる側から見た舞台の違いについて語った。時代という制約の中で役を演じる難しさに加え、劇中のセット移動の多さや約2時間半という長い公演時間、そして普段と違う舞台。厳しい条件が揃うなか、「外部の施設だからこそ出来ることもある」と横山さん。「音響や映像などの技術面でAI-HALLのスタッフの方にも手伝ってもらい、とてもいい経験になった」と充実した様子で話した。
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