第11回神戸大学ボランティア講座(主催・神戸大)が2月17日に開講された。今回のテーマは「社会的排除と市民活動」。初日は、国際文化学部K402で有識者による講義やパネルディスカッションが行われ、学生や一般人など75人が集まった。【2月18日 神戸大NEWS NET=UNN】
同講座は、ボランティアサークルの神戸大学学生震災救援隊や神戸大学総合ボランティアセンターが協力し、学生のボランティア活動推進を目的に実施されている。
基調講演では、NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長の湯浅誠氏が「貧困と社会的排除に対する市民ネットワーク」と題して講話。自立支援の名の下で生活保障の切捨てが行われている、現代日本の問題点を指摘し、「幅広い層にまで広がる貧困と社会的排除に対して、ネットワークをつくり連帯して対抗していくべき」と呼びかけた。
「排除のない社会は可能か?」をテーマにしたパネルディスカッションは、神戸大大学院国際協力研究科のロニー・アレキサンダー教授を司会者に、ラミ中学分校スタッフの小野洋氏、神戸定住外国人支援センター理事長の金宣吉(キム・ソンギル)氏、神戸YWCA夜回り準備会メンバーの野々村耀(ののむら・よう)氏がそれぞれの立場で意見を述べた。
3人のパネリストは「排除を克服するためには」という問いに対し、「居場所がキーワード」と回答。金氏は「多様化とか個性とか言うのは容易いが、それを受け入れる場所がこの社会にどれだけ用意されているのだろうか」と疑問を投げかけた。
参加した男子学生(発達・1年)は「排除に気づくことが大事」と感想を話した。最後に、アレキサンダー教授は「社会、大学がちょっと違う人たちを受け入れようとしていない。神戸大学の学生は理屈っぽいところが多いけど、心を忘れないで自分の感性を膨らませてほしい」と締めくくった。
講座の履修者のうち、学生47人は、2月19日から3月15日までの期間で、「教育課程からの排除について」、「在日外国人問題」、「野宿者支援について」の3テーマのうち1つを選択。9ヶ所の施設に分かれて3日間のボランティア体験実習を行うことになっている。3月17日に意見交換会が行われ、閉講される。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。