昨年全国で猛威を振るったはしか(麻疹)。神戸大でも5月中旬から下旬にかけて複数の感染者が発生し、12日間の休校措置がとられた。大学は全学生に対して自宅待機を呼びかけ、キャンパスへの入構、課外活動が禁止されるなど、はしかの影響が学生生活に大きな支障を与えたことは記憶に新しい。しかし、今年に入って一部の地域では流行の兆しが見られており、はしか再流行が危惧されている。この動きに神戸大は大学としてどのような対策を講じるのか。神戸大学保健管理センター深江分室長藤平和弘先生に聞いた。【3月1日 神戸大NEWS NET=UNN】?
神戸大では、来年度(平成20年度)以降神戸大に入学する新入生(大学院新入生含む)に対し、4月に実施される新入生健康診断で血液検査を実施する。この血液検査において、はしか、風疹、おたふくかぜ、水痘の4種の抗体を十分に持っているかを検査。検査結果を本人に返すと同時に、感染を予防するのに十分な抗体を持たない学生に対してワクチン接種を行うよう呼びかける。大学主体で、全ての在校生に一斉に抗体検査を実施することは極めて困難なため、来年度2年生以上の在学生に対しては、大学内に貼り出す掲示で学生が自ら病院などへ行って検査、ワクチン接種することを強く勧めていく。学生生活のみならず、課外活動やアルバイトなど活動範囲の広い大学生は、気づかないうちに周りの人にうつしてしまう可能性もある。そのため集団行動、教育実習などが学部教育に組み込まれている海事科学部、発達科学部、医学部は特に慎重な対策を必要だと話す。現段階で、はしかの症状を抑える薬はあっても、はしかを100%治す薬は存在しない。手洗い、うがい、医療用マスクなど、個人のレベルの対策も決して無駄ではないが、最も確実な予防法であるワクチン接種を大学は今後強く呼びかけていく方針だ。
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