神戸大演劇部自由劇場第157回公演「ハサミ男」(原作:殊能将之 作・演出:利川托)が6月26日から30日まで、六甲台講堂で行われた。千秋楽となった30日には100人以上、5日間で500人以上の観客が訪れ、本格的なミステリーを楽しんだ。【7月1日 神戸大NEWS NET=UNN】
女子高生を絞殺しハサミを首に突き立てる猟奇的殺人犯「ハサミ男」。しかし、新たなターゲットを決め彼女の身辺調査をしている時、ハサミを首に突き立てられた彼女の死体を発見してしまう。自分の犯した殺人ではないことを知るハサミ男と猟奇的殺人犯「ハサミ男」を追う警察。それぞれ犯人を捜すサイコメトリックミステリーが上演された。
演出を務めた利川托さん(工・3年)は「元々ミステリーが好きで舞台にしやすい、ということでこの作品を選んだ」と話した。「以前映画化されたこの作品を見た。映画では過去のトラウマが強調されていたが、それよりもミステリーの醍醐味である、読んだ時の衝撃を観客に伝えたかった」と演出へのこだわりを見せた。舞台セットもミステリーの雰囲気を存分に味わってもらうため、密閉空間を意識した普段とは違う形で作られ た。
今回の主役である、父親そっくりな人格を併せ持つ殺人犯を演じた横井りなさん(兵庫県大・3年)は「難しい役だった」と話す。「感情のない子という設定だったが、舞台上でそれを表現するのは難しい。だから逆に喜怒哀楽が激しく、簡単な感情しか持ち合わせていない子供をイメージして役作りをした」と自分なりの表現方法を語った。
原作を読んだことがあるという文学部の1年生は「男だと思っていたのに女だった、という展開を舞台にするのは難しいと思っていたけど、うまく表現されていてすごかった」と話した。
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