関西の学生演劇の頂点を決める演劇コンペティション「学劇王(ガクゲキング)」の2日目の公演が8月21日、大阪の精華小劇場で行われた。神戸大からは演劇研究会はちの巣座のメンバーが中心となって結成された「やぐされ」が出場。会場に訪れた多くの観客、審査員の前で堂々とした演技を披露した。【8月23日 神戸大NEWS NET=UNN】
やぐされの演目は「ハコ」。生徒全員が演劇部に所属し、演劇が完成しなければ卒業出来ない高校で芝居に打ち込む5人。日常の出来事が脚本となり、実在する人物がそのまま役となる台本は誰が書いているのかわからない。そして演劇が完成に近づいたある日、事件が起こる。
現実の世界と演技する役割が持つ人格。役への感情移入が進み、やがてどちらが本当の自分なのかを見失ってしまう役者の苦悩が表現されている。複数の役者が同時に2つの役を演じることで、観客だけでなく役者も混乱していく様をコミック、落語などの笑いの要素と演劇部に起こる様々な事件で演出した。
「笑っていただけて幸せです」と話したのはやぐされ主宰ではちの巣座OBの三沢亘さん(経営・4年)。昨年の夏に書いた台本を今回の公演のために仕上げた。自らは演出に専念し、役者を引き立てる側として公演に臨んだ。「(役が)混ざったりしてしんどかったと思う。役者は自分が考えている以上のことをしてくれた」。公演2日前まで全体を通した練習が出来なかったが、今回の公演でやっと形になったと三沢さんは振り返った。
今回出演した6人の役者のうち、はちの巣座のメンバーは2人だけ。ESSや発達科学部の学生、東京で演劇を学んだ学生など個性豊かな組み合わせだ。「(役者が)仲良くなるか不安だった」。その心配は杞憂に終わり、メンバー同士の連携には目を見張るほどだという。「来年も(学劇王が)あるなら優勝してチャンピオンとして出場したい」と三沢さんは力強く話した。
結果発表は24日に精華小劇場で行われる予定。
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