迫力ある演技で魅せる 自由劇場新人公演

神戸大演劇部自由劇場の2008年度新人公演「The SECOND World」(作・演出:宇治橋サキ)が、9月14日、15日に行われた。会場となった六甲台講堂には学生を中心に多くの観客が訪れ、シリアスでありながらコミカルな演出に見入っていた。【9月16日 神戸大NEWS NET=UNN】

 第2世界(死後の世界)にやって来た男、野澤シゲル。生前の恋人、佐野ユキを追って自殺した彼が持ち込んだ日記帳は、第1世界(現実世界)に唯一戻れると言われるものだった。死んだはずのユキが第1世界で生きていると知り、シゲルは元の世界に戻ろうとする。

 今回の演劇で主役を務めたハヤマコウキさん(工・1年)は「演劇をやるのは本当に初めて。役作りに関しては深く考えず思いきりやった」と話した。オーディションで主役に選ばれたというハヤマさんは「元気がないと声も出ないし元気が1番だと感じた。台本の出来上がりも遅れ、最後までそろって練習する時間が少なく完成は遅かった」と公演を振り返った。

 「死について考えてもらいたかった」と話したのは脚本・演出を担当した宇治橋サキさん(発達・2年)。制作に2ヶ月をかけたという脚本では「芝居は生の人間が演じるものだから、人の感情の動きをリアルに伝えること」を特に考えていたと話した。観客に対しては「生きていることを当然と思わず、死があるからこそ生が大切なんだと思ってほしい」と力強く話した。

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