巨星と惑星の7組発見 神戸大ら研究グループ

神戸大、国立天文台などで構成される研究グループ(代表・佐藤文衛東工大グローバルエッジ研究院特任助教)は9月11日、太陽の約10倍の半径を持つとされる巨星とその周りを回る惑星7組を発見したことを国立天文台ホームページなどで発表した。これまでに巨星の周りの惑星は約20個が確認され、そのうち同研究グループによる発見数は最多の10個。今回の発見で、地球に似た惑星の探索への活用などが期待される。【9月20日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 研究グループは平成13年から国立天文台岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡と高分散分光器HIDESを用いて太陽系外の惑星(系外惑星)探しを行ってきた。今回発見された惑星は全て、恒星の周りを惑星が回ることで生じる恒星の速度の変化で惑星を観測するドップラーシフト法で発見された。現段階では巨星からの距離と重さが計測されているが、いずれも木星の様に巨大でガスで構成されているとみられている。  研究に携わった神戸大の伊藤洋一・理学研究科准教授(地球惑星科学専攻)によると、今回の発見で「太陽より数倍大きい恒星では、惑星も比例して大きくなる」ことがわかりつつあるという。この法則を適用すれば、「将来地球に似た惑星を探索する際、比較的容易に探せるかもしれない」と伊藤准教授は話す。

 神戸大のグループは月に1回、同観測所に3日間訪れ観測を行っている。今回の他にも約100個の恒星を観測し、惑星の発見を目指している。平成7年に系外惑星が発見されて以来、天文学の研究分野が広がったという。それに伴い、伊藤准教授の研究室の門をたたく学生数も年々増えているという。「学生のレベルは上がってきている」(伊藤准教授)。同大では今年2月に太陽系外縁天体の外側に未知の惑星の存在を示す数値シミュレーション結果を発表している。発展著しい天文学の分野で、同大は存在感を見せている。その中で「結果を残せたのは嬉しい」と伊藤准教授は笑顔を見せる。

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