食の安全は守れるか 神戸大生協

中国製ギョーザによる食中毒事件、三笠フーズによる事故米転売、有害物質のメラニン混入問題。日本の「食の安全」が脅かされている中、神戸大生に低価格で食品を提供する生協の対応は。【10月1日 神戸大NEWS NET=UNN】

 神戸大生に食堂、販売店を通して食品を提供している生協。食の安全の確保は生協にとって使命だ。
 現状では、流通の末端に位置する小売店である生協は食品の製造過程を完全に把握することができない。農林水産省から発表される情報で初めて明らかになる食品問題。「我々だけでは完全に防ぐことは難しい」。末松泰信・神戸大生協専務理事は言い切る。生協では食品を取り寄せる際に受注先から安全証明を取るも、「食品は複数の業者を介してつくられる。安全性を確かめるには業者を遡らないといけない」と末松さんは話す。
 現状を打破する策として、末松さんはトレーサビリティー(生産履歴)の普及を挙げる。原産地を明記することで、「小売店でも製造過程を知ることができる。ただ一番(の問題)は業者の倫理感ですけど」(末松さん)。
 現在、神戸大生協では食品に関する被害は報告されていない。また、生協食堂は北海道の指定農家がつくる米を使用しているため、今回の事故米の影響はない。ただ、相次ぐ食品問題に、「今後また新たなケースが出てくる可能性は否定できない」(同)。

<各商品、メニューで値段を変更 原油価格の急激な変動など受け>
 生協販売店で陳列されているノートや菓子の定価が順次上昇している。9月30日から生協食堂の一部メニューの価格が変わった。原因は、原油価格の急激な変動による輸送費用の高騰(こうとう)とバイオ燃料の普及による食不足だ。
 食堂では分量を減らして価格を維持したメニューの他、以前より安価な材料を用いて逆に価格を下げたメニューもある。学生の意見を開き、「高いものよりもあまり金を出さないものの方がいい」という声が多かった結果から判断したという。

 食の安全確保、価格上昇、食不足。過剰な利益を出さない経営を行う生協にとって、柔軟な対応が求められる。(9月29日現在)

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