神戸大生が中心となって運営する特定非営利活動法人「ごみじゃぱん」(代表:石川雅紀・神戸大大学院経済学研究科教授)は10月20日、5月15日から3ヶ月間、東灘区内の4店舗で展開していた容器包装を簡易化した商品を推奨する「ごみ減装(へらそう)実験2008」の結果報告を六甲台本館で行った。【10月21日 神戸大NEWS NET=UNN】?
「ごみ減装(へらそう)実験2008」とは、学生らを主体にメーカーから流通まで協働し、商品自体から包装ごみの削減を目指す生活実験の総称。5月15日から3ヶ月間にわたり東灘区内の大型小売店4店舗で実施され、実験を行う前後に消費者に対する意識調査を行った。実験のために推奨された商品は「減装商品」と呼ばれ、約1200の品目からスタート。学生らが事前に実験店舗4店の売り場の商品を調査し、実際に容器包装を簡易化した食品・トイレタリー商品に「なくしました」、「へらしました」、「かえました」と3つの基準を設けて推奨した。「減装商品」というネーミングは以前使っていた「簡易包装」という言葉と比べ、より消費者に受け入れられるようにと学生らが考案した。実験が始まってからも学生らが店頭で調査を行い、最終的に1474種類の商品を推奨した。「減装商品」の売り上げ個数は17万個近くに達し、購入による実質的なごみの削減量は1.18トン、二酸化炭素に至っては2.03トンの削減につながったと発表。包装が多い生活雑貨のごみの削減が大半を占めた。?
また、6月14日から約1ヶ月間、メーカー3社と協働して行った通常製品と減装商品の比較販売では、売上比率が通常製品の34.5パーセントに対し、減装商品は64.5パーセントと大きく上回った。
ごみじゃぱんはこれらの実験結果をもとに算出したごみ削減の可能性として、1年間「減装ショッピング」を行った場合、神戸市だけで2320トン、日本全体では195000トンものごみが削減出来ると推測。今回推奨したカテゴリーの通常商品がすべて減装商品に替わった場合、日本全体で201万トン(日本全体のごみの量の5.54パーセント)が削減が可能との予測も示した。
実験を行うにあたり、東灘区在住の女性400人を対象にした事前調査を3月に、事後調査を8月に実施。店頭においても3回に分けて調査が行われ、環境に対する意識や購買に関する動向を調査した。事後面接調査(回答率50.8パーセント)では、減装実験を知っていると答えた住民が54.7パーセント、購入経験があると回答したのは22.7パーセントだった。
経済学研究科の石川雅紀(いしかわ・まさのぶ)教授は実験結果を踏まえ、「適切な情報提供で消費者が(減装商品を)選ぶという自信が持てた」と話した。今後の展開として、11月14日に東京でシンポジウムを開催することや神戸の生活者との協働、年間を通した店頭での実験を行う予定と発表した。
「ごみじゃぱんの活動は微々たるきっかけ作り」と話したのは、石川ゼミの学生として活動に参加した経済学部4年の濱口雅史さん。ゼミ生だけでなく、1年生や他学部生、他大学からの参加者もいる中で、上級生として学生らのまとめ役となり奮闘した。店頭で買い物客から労いの言葉をかけられ「感動した」と活動を振り返った。
結果についての詳細はごみじゃぱんHP(http://gomi-jp.com/index.html)で。
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