響き渡る笑い 第43回六甲寄席

神戸大落語研究会による「第43回六甲寄席」が11月29日、兵庫県民小劇場で行われた。3年生5人による落語と1、2年生による大喜利に、会場からは拍手と笑いの渦が巻き起こった。【12月2日 神戸大NEWS NET=UNN】

 3時間半にも及ぶ長丁場だったにもかかわらず、トリのみなと家るああさん(経済・3年)の噺(はなし)が終わると、会場にはしばらくの間拍手と笑いが響き渡った。

 最初の噺は、甲家兎頼さん(かぶとや・とらい=経済・3年)による「寿限無」(じゅげむ)。子供が生まれた父親がめでたい名前を付けたいと思い、物知りから教わった縁起の良い言葉をつなげてとてつもなく長い名前を子供につける、という有名な噺。後半の、「ジュゲムジュゲム…」と何度も繰り返す場面は会場を沸かせた。

 次に高座に上がったのは甲家渇勝さん(かぶとや・かつかつ=経済・3年)。演題は「いもりの黒焼き」だ。好きな女子(おなご)がいる主人公が、ふりかけると相手が自分のことを惚れてくれるというイモリの黒焼きの粉を、誤って米俵にかけてしまい、米俵に追いかけられる、という噺。小気味の良いテンポで観客を引きつけ、笑いを誘った。

 「百人坊主」を披露したのは甲家覇丸さん(かぶとや・はまる=医・3年)。腹を立てた人間は重大な罰を受けるという条件で伊勢参りに行った村の男たち。道中、些細な言い争いが原因で頭を坊主にされた源太が、仕返しとして伊勢参りに行った男たちの妻全員を、夫が死んだと嘘をついて丸坊主にしてしまう。帰ってきた男たちも坊主にされ、村中皆坊主になる、という笑い噺だ。「失敗か成功かは置いといて、終わって安心した」と覇丸さんは謙虚に話すが、男たちが必死に怒りを我慢する場面では、観客の笑いが止まらなかった。
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 次の大喜利では、1、2年生9人と先生役の計10人がここぞとばかりに大活躍。観客からのお題への謎かけ、「り・そ・う」であいうえお作文を作る「理想ゲーム」、ラジオのDJになりきる「お悩み相談室」の3題に、ラッパーや男のメイドなどの個性的なキャラクターで答え、六甲寄席に彩りを加えた。

 後半最初の噺は、甲家敷知さん(かぶとや・しくじる=法・3年)による「みかん屋」。正直すぎる男が、知り合いからみかんを売ってくれと頼まれ、間抜けなミスを連発しながら商売をする。馬鹿だがどこか憎めないみかん売りを上手く演じきり、会場に笑いを起こした。
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 トリを務めたるああさんが演じたのは「禁酒関所」。禁酒令が出され、酒を持っていないかどうかを調べるための関所までも設けられたとある藩の侍に、どうにかして関所を通り抜けて酒を届けてほしいと頼まれてしまった酒屋。水カステラや油だと嘘をついて関所を通ろうとするが、ことごとく見破られて1升、2升と役人に飲まれてしまう。しかし、3回目は一升瓶に小便を入れて関所に行くと、役人は酒だと思って小便を飲んで我に返る、という笑い噺。「初めてだったが上手くいった」という泥酔した役人の演技で、大勢の観客の笑いのツボを捉えた。

 3年生はこの寄席で引退。すべての噺が終わり見送りに出ていた会員たち、特に3年生の会員たちを、退場する観客が取り囲んだ。「3年間やってきて良かったことは、お客さんと触れ合えたこと。『面白かったよ』の声が本当に嬉しい」とるああさん。この日も数え切れない「面白かったよ」を受け取ったはずだ。

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