生と死、人間の生き方を考える舞台 はちの巣座・第24期生卒業公演



 「お客さんがいっぱい来て、笑顔で帰ってくれるのが楽しかった」。全公演を終え、演出を担当した三沢亘さん(経営・4年)は満足そうな表情で公演を振り返った。

 3つの民族が100年にわたって互いに争い合う国「日本」。その戦渦の最中に、拉致され10年間地下で監禁されていた少女が逃げ出してくる。拉致される前の記憶を失った少女は、自らを「ケガレ」と名乗り、大豆でできた戦闘のためだけに生まれてきた兵隊、ダイズ兵の戦死体を回収して生計を立てている一族のもとで暮らし始める。ケガレが外の世界で出会いと別れを繰り返し、成人した未来の自分「ミサ」と時間を超えて繋がり合いながら成長する姿を通して、生と死、人間の生き方を考えさせる物語だ。

Photo 演出の上で「主役の生き方。色々なことに逃げないで向き合っていくかっこよさ」を伝えたかったと三沢さん。
 主人公ケガレ役を演じた喜多弘美さん(経済・4年)は「(演劇を通して)お客さんと一緒になって楽しめるようにしたかった」と今回の演劇で目指したことを語った。

 今後の演劇との関わり方について、三沢さんと喜多さんはどちらも「いいお客さんになること」を挙げた。三沢さんの考える「いいお客さん」とは、「何らかの評価を(役者に)与えたり、演劇を続けたい人が続けられるようにする人」だと力強く話した。また、喜多さんの考える「いいお客さん」は、「役者と一緒になり、楽しむところは楽しむ、深く考えるところは考える人」だと語った。

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