灘チャレンジ2009が6月7日、神戸市の都賀川公園で行われた。晴天の下、ステージや模擬店などが開かれ、多くの客を動員。神戸大からもサークル団体らがステージや模擬店に多く参加した。【6月9日 神戸大NEWS NET=UNN】
○大盛況のうちに終了 灘チャレンジ2009
開始時間の午前10時から、会場の都賀川公園には多くの人が訪れた。灘チャレンジは、1995年に起きた阪神・淡路大震災で 被災した灘区の復興祭が始まり。今回は「わたしたちは、忘れない。忘れさせない。」がテーマ。震災の被災地や昨年の都賀川水難事故、 社会的に生きづらさを感じている人を「忘れない、忘れさせない」ために実行委員らが取り組んだ。メインステージでは、学生らが在日外国 人問題を扱った風刺劇や聴覚障害を持つ人も楽しめる手話歌を披露。他にも会場内で、都賀川水難事故の追悼文や事故についての 調査結果をパネルにして展示した。終了時間の午後4時までフリーマーケットや模擬店は開かれ、子どもから大人まで地域住民 は祭りを楽しんでいた様子。
○恒例の風刺劇 メインステージで披露
メインステージでは、観客は様々な企画を楽しんでいた。恒例の風刺劇では、救援隊(神戸大学学生震災救援隊)のメンバーらが社会問題に取り組み直球の演技を披露。 ステージプログラム終盤にはカラオケ企画やビンゴ大会も行われた。
日本に暮らす外国にルーツを持つ子どもを題材にした今回の風刺劇。関優里香さん(農・3年)は脚本を担当。救援隊 の活動で実際にそのような子ども達に触れてきた。「下手したら偏見につながる」と風刺劇の難しさを話した。 偏見にならないよう、欠かせなかった在日外国人の方々の協力。制作を手伝った在日外国人の方も劇を見にきていた。 関さんは「当事者から良かったっていう声を聞くとやっぱり嬉しい」と笑顔。舞台に演者として立った松井彩華さん(法・1年)は「成長できた」と話した。 劇を通して初めて直面した在日外国人の問題。日本生まれのベトナム人役を演じたのは柴田祐輔さん(工・1年)。「色んな国にルーツを持つ人がいる。 それを知って街を見る目が変わった」と目を輝かせた。
劇を終えた演者らに、声をかけた一人の女性。「若い人たちがこういう問題に取り組んでるなんて。良かったよ」と目に涙を 浮かべた。女性は自身が在日外国人だと明かした。「嬉しい」と関さん。感想を言うため集まる観客らを前にし、劇の出来栄えについて「ばっちり」と語った。
○本番を迎えて 灘チャレンジ2009実行委員長
「たくさんの人が来てくれて感無量」と実行委員長の武久さん。話し合いを重ねて迎えた本番。 「頭の中だけだったものが形になって嬉しい。いろんな人の協力があってこそ。ありがたいです」と話した。
武久さんが実行委員長を務めたきっかけは救援隊の先輩の言葉だという。「自分がやりたいことは思いを一つにする作業だと気づいて」。 元々、風刺劇に参加しようと考えていたそう。しかし、先輩と話していくうちにやりたいことが劇でないと知った。 当日は人員の配置や交通整理等でハプニングも。その一つ一つを学生が対処した。結果、「大失敗にはならなかった」と武久さん。 「大学の中にいるだけでは視野が狭くなる。色んな人に会って自分の思いを育ててほしい」。終盤に近づく灘チャレンジを背に学生へメッセージを送った。
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