神戸大の学生を対象に、社会問題への参画や共同作業を行う講座「地域に根差し人に学ぶ実践塾」(主催:都市安全研究センター・学生ボランティア支援室)が8月9日から始まった。同実践塾のプログラムは3つに別れ、今回のテーマは「災害」。能登半島に位置する石川県鳳至(ふげし)郡穴水町を中心に、13人の神戸大生が能登半島のスタディツアーや足湯サービスなどを行った。【8月13日 神戸大NEWS NET=UNN】?
同実践塾は、学生が社会問題が起きている現場に行って話を聞いたり、ともに作業をすることで、現場で取り組む当事者の視点から社会問題を理解することが目的で今回が初めて。今年は約1か月間で、災害、貧困、定住外国人に関する3つのテーマが設定された。
1つ目のテーマは「能登半島地震被災地・3年目の課題と地域の魅力」。穴水町周辺で、9日から12日にかけて行われた。神戸大からは13人の学生が参加。金沢大や長岡技術大を合わせると、20人以上の学生が実践塾で活動した。?
天候の影響で2日目の農業体験の内容が変更になったものの、その後のプログラムは予定通りに消化された。
3日目には金沢大主催の能登スタディツアーに参加。震源地に近い琴ヶ浜(輪島市)など、計6か所をめぐり、地震の被害と復興状況を見学した。夜には、輪島市山岸町の仮設住宅元区長で、能登3.25災害ネットワーク代表の藤本幸雄さん(55)を迎え、地震発生当時の様子や、仮設住宅での生活の難しさについて話し合った。?
最終日は、穴水町内で足湯サービスを実施。13人の住民が訪れ、学生とのふれ合いを楽しんだ。初めて足湯を経験する学生は、経験者に教えられながら、マッサージなどを行った。
普段は神戸の復興住宅で活動しているという高原美咲さん(発達・2年)は「(神戸以外の)復興の様子が見たくて参加した。マッサージしながら話すのは難しかった」と、初めての足湯を振り返った。
実践塾の最後には、輪島市に移動し、藤本さんとともに3か所の復興住宅を見学。学生らは、仮設住宅から移り住んだ住民と話し、今抱えている問題点や神戸の復興住宅との違いなどを話し合った。
学生震災救援隊に所属し、企画の段階から同実践塾に関わった西山奈央子さん(経済・3年)は、4日間の実践塾を振り返り、「足湯っていう面じゃなく、地質や観光、農業とかいろんな面で『能登半島』を見れて面白かった」と話した。
2つ目のテーマ「大阪における野宿と貧困の問題」は、20日から23日にかけて、大阪・西成区を中心に行われる予定。
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