異文化と生きる街、神戸 人に学ぶ実践塾・第3弾

神戸大の学生を対象に、社会問題への参画や共同作業を行う講座「地域に根差し人に学ぶ実践塾」(主催:都市安全研究センター・学生ボランティア支援室)が8月9日から開講されている。3つ目のテーマ「神戸の定住外国人の歴史と現状」は8月25日から9月2日にかけて行われた。学生らはNPO法人神戸定住外国人支援センターを訪れ、外国人児童の学習支援活動などを体験した。【9月14日 神戸大NEWS NET=UNN】?


○定住外国人の子どもらの現状
 国際的な港町として発展してきた神戸には多くの外国の人が暮らしている。その数は約4万4千人、98カ国(平成21年5月1日現在)。出稼ぎのため、難民としてなど様々な理由がある。
 定住外国人に対する法整備の遅れや言語や文化の壁により、日本語が不慣れな外国人にとって生活上の問題が生じている。特に子どもらにとっては言語の問題は深刻だ。
 日本での学習で困難を抱える子どもらの学習支援を行っている神戸定住外国人支援センターを学生らが8月25、27日に訪れた。

 「子どもたちが置かれている状況や気持ちを少しでも知ってもらいたい」と同センターの志岐良子さんは話す。日本語が不慣れな子どもらにとって、日本の学校での学習には難しさが伴う。学習にしてもまず日本語の理解ができないことがあり学習の進度が遅れる。「定住外国人の子どもたちの高校進学率は日本語を母語とする子らよりも低い。先生は学校の中で1対1ならまだしも、大人数の中ではサポート(日本語が不慣れな子に対して)がしにくい」と志岐さんは指摘する。

 訪れた学生らは小学生や中学生に国語や数学などのわからない点を1対1で教えた。家康知沙さん(法・4年)は「教えている時に説明している言葉がたまに理解してもらえてないのかなと感じることもあった」と子どもらが抱える学習する上での言語の壁を実感していた。
 それでも学生らは子どもらと一緒に楽しみながら勉強した。国は違っても子どもの笑顔は変わらない。「外国人だからとかじゃなくてこっちが壁を持ったらあっちもわかる」と関優理香さん(農・3年)。
学生らはそれぞれ思いを抱きながら現場実習を体験した。


Photo○街中に見る定住外国人の生活
 9月2日には、JR元町駅から北野地区を散策。海外移住と文化の交流センターやジャイナ教寺院などの宗教施設、輸入雑貨店などを巡り、神戸に根付いた外国文化の現在の姿を見てまわった。
 学生らはその後、JR鷹取駅の近くのカトリックたかとり教会内にあるNPOベトナムinKOBEで、代表を努めるハ・ティ・タン・ガさんから神戸に住むベトナム人定住者についてのレクチャーを受けた。神戸に住むベトナム人が日本に来たいきさつやその後の生活、ガさん自身が阪神・淡路大震災の際に感じた日本とベトナムの人柄の違いなどに触れた。話の途中にはベトナムでよく食べられているというお菓子が振る舞われ、学生らは五感を通じてベトナム文化を感じていた。
 今回のテーマを企画した学生ボランティア支援室スタッフの相澤亮太郎さんは、「社会を考える上で国内のことだけ考えるというのはありえない。すぐとなりの外国人と出会い、仕事を通じてどう向き会うのかが大事」と締めくくった。

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