大市大に勝利、有終飾る 近畿学生野球リーグ

近畿学生野球秋季リーグ第1節4回戦、神戸大-大市大が10月23日、住之江公園野球場で行われ、神戸大が7-3で勝利した。神戸大は1-2の7回に後藤(経営・3年)、上田(経営・3年)らの適時打で4点を挙げ逆転。8、9回にも1点ずつ加え、最後は伊勢本(工・4年)が締めて最終戦を飾った。最終成績は5勝7敗2分け勝ち点2で4位となった。【10月27日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 最後に笑うことができた。14安打7得点の快勝。主将の真田(国文・4年)は、「神大の野球を後輩に伝えられた」と満足げな表情を見せる。?

 苦しい1年間だった。昨秋は2位に躍進し、大きな期待を背負って迎えた春季は3位。秋季もリーグ序盤で奈産大、阪南大に勝ち点を奪われ、早々と優勝戦線から離脱した。真田、金川(発達・4年)、木下(発達・4年)ら、主軸である4年生の不振がチームの足を引っ張った。練習内容を変え、個々の打撃フォームを変え、ファーストストライクを見逃しがちだった消極的な意識を改革した。一時は大教大相手に11点を挙げるなど復調したかに見えたが、その後は再び下降線をたどり、前日の大教大戦では春季王者に実力の違いを見せつけられ、完敗。真田は、自らのふがいなさと主将としての責任感から、ひとり涙を流した。?

 「方向性は間違ってないのに、チャンスでどうしても打てない。(試合を)振りかえってまだ答えが出せない」。悩んだ末、自宅に帰らず六甲台のグラウンドに戻り、流し打ちの練習を繰り返した。「納得して終わりたかった」。?

Photo 最終戦。先発を外れた真田は、ベンチから必死にチームを鼓舞した。神戸大は走塁ミスなどでチャンスをつぶし、1点差を追いつけずにいた。流れが一向に変わらない中で迎えた7回、真田が先頭の柿本(工・3年)の代打として登場。「悪い流れを変えたかった」。カウント2-0と追い込まれてからの6球目、スライダーを中前にはじき返し、反撃ののろしを上げた。「真田のヒットが大きかった。ここってときにはやっぱり頼りになる」と中村監督。出場したのはこの1打席のみだったが、神戸大に勢いを与えた。?

 この1年間は、主将として辛いことばかりだったという。自分が試合に出ていなくても、他の選手とコミュニケーションを取り、チームをまとめるために奔走(ほんそう)した。もちろん練習中では手を抜かず、自主練習も率先してこなした。「自分が一番練習したという自信はある」。その集大成が、最後の一打だった。「最後に後輩に1つ、自信をもって伝えられたかな」。そう微笑む背番号1の目は、ほのかに赤く染まっていた。

○引退する4年生の声
エース・伊勢本(工・4年)
「最後は投げたい思いがあったので、ありがたかった。エースとして最後までできた。努力したのが結果に結びついてよかった。最後は捕手の石浜(発達・3年)が僕の気持ちを汲んでくれて全球(得意の)スライダーを出してくれた。下の代については心配してない。練習してもっといいピッチャーになってほしい」?

三塁手・金川
「最後は自分のプレーをのびのびとやろうと思っていた。自然体でいい精神状態でできた。今までは基本自分のことを考えてやってきたけど、副将として、4回として、周りに働きかけることの難しさ、大事さを学んだ。3回生は信頼置いてるやつらばっかなんで何とかしてくれると思う」?

右翼手・木下
「内野安打は、転がして1点取りたかった。ただそれだけ。ヒットはたまたま。今シーズンはめっちゃ苦しかった。打撃フォームを変更してから変わった。来年のチームは、個々の力はすごいある。まとまってくれたら強くなる」?

右翼手・山田(発達・4年)
「3年までピッチャーでやる気もなかった。3回の冬に周りに『このままじゃ出れん』って言われて外野に移った。来年は優勝目指してやってほしい。後輩にはかわいがってもらったんで」?

投手・福井(経営・4年)
「試合を見て4年間が思い出された。試合に出れなくても、みんながすごく優しかった。気づかって声かけてくれて。それが一番の思い出。(下級生に向けて)結果ってのは自分でどうしようもないときもある。でも取り組みはなんとかなる。後悔はしないでほしい」?

二塁手・林(発達・4年)
「出場機会に恵まれず、野球通じてチームのためにやったらがんばれるようになった。出れないことを受け入れられない時期に励ましてくれた仲間にありがとうと言いたい。来年は気持ちを全面的に出せるチームになってほしい」?

捕手・藤本(発達・4年)
「最初は迷いながら入った。入ってよかった。キャッチャーとしてやってきて、伊勢本が最後抑えてくれたのはうれしかった。(来年)そもそも下級生主体のチームやし、優勝してほしい」?

代打の切り札・笠原(経済・4年)
「最後までやってよかった。ちょっと出れるようになったのは、仲間に支えられたから。いつも一緒にいてくれた4回生。それが一番の思い出。(後輩に)練習ちゃんとやったら絶対チャンスはある。それを伝えたい」?

代走として活躍・城(発達・4年)
「途中入部ってことで、うまく試合に出れるか不安だった。最後はベンチ入りさせてもらって、代走としても出ることができた。(後輩に)今ベンチに入れてない選手も、腐らずあきらめずがんばってほしい」?

飲み会リーダー・日下(国文・4年)
「仲間ができて、人間関係広がって、成長する上で有意義な時間を過ごせた。(来年)優勝してほしい。妥協することなく」?

主務・一瀬(発達・4年)
「嫌なことあっても部活来てみんなと騒いで楽しかった。腰の持病で十分にできなかったのが悔しかった。主務としての仕事をみんなが評価してくれた。間違ってなかったことがわかってうれしかった」?

●近畿学生野球秋季リーグ第1節4回戦(10月23日・住之江公園野球場)
神戸大 010 000 411 =7
大市大 110 000 010 =3

【神戸大】大岡、○白木原、伊勢本-石浜
【大市大】●河野、野田-川島

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