アートによる都市文化再生を 現代GP総括シンポジウム

2007年度に現代GP(現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム)に採択された「アートマネジメント教育による都市文化再生」プロジェクトの総括シンポジウムが12月5日、国際文化研究科大会議室で開かれた。事業報告やゲストを招いてのパネルディスカッションが行われ、これからのアートマネジメントについて議論された。【12月8日 神戸大NEWS NET=UNN】

 「アートマネジメント教育による都市文化再生」プロジェクトは、国際文化学部と発達科学部を中心にアートマネジメント教育の開発を実践し、都市文化再生を目指す取り組みだ。アートディレクターを招いての講演や、神戸国際芸術祭などアートイベントの運営に直接参加するプログラムが実施されてきた。シンポジウムではこうした3年間の報告が行われた。

   親子で音楽を楽しんでもらうイベント、「小学生のためのコンサート」の企画に携わった松田彩さん(国文・3年)は「資金の面、そして伝えたいことの差の難しさがあった」と報告。企画側とアーティスト側の伝えたいことの相違や、子どもらにいかに高度な芸術に親しんでもらうかなど、実際にアートイベントをマネジメントする上で気付かされた。
 午後からは神戸市の文化担当者やアートディレクターを招いたパネルディスカッションが開かれた。「都市でこそいろんな人をつなげる仕掛けが必要。アート(仕掛け)はどこにでも入り込める」といった意見や、「行政側の担当者が(短いサイクルで)代わってしまう」といった問題点が指摘され熱心な議論が交わされた。


○「アートマネジメント」とは
 プロジェクトの責任者である藤野一夫教授(国際文化学研究科)はアートマネジメントを「アートと社会をつなげるための技法」と説明する。アーティストと対等に渡り合える知識、アートを社会に還元するためのマネジメント能力、これらを習得するのをアートマネジメント教育は目的とする。全国の大学に見ても珍しく発展途上の教育分野だ。
 最近では政府の事業仕分けで、芸術文化振興費が減らされるのは必至。芸術分野への厳しい風当たりの中、「新しい時代の教養では」と藤野教授は話した。

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