白木健介さん(当時=経済夜・3年)の父、利周さんは、震災から15年となる1月17日午前5時46分を、「1.17のつどい」の運営スタッフとして静かに迎えた。自ら先頭に立って震災から立ち直れずにいる人らをいやす活動を続けながらも、健介さんへの思いが変わることはない。【1月17日 神戸大NEWS NET=UNN】
利周さんは「阪神淡路大震災『1.17希望の灯り』」(HANDS)の理事。震災によって親しい人を失った人らに働きかけ、心の傷をいやす活動を行っている。「遺族の人らと話し、一生背負っていかなければならないものの重みを減らす手伝いをする。それが、(震災を)体験した人の役目」と解釈している。最近では、「聞き語り調査会」の活動の手助けもしている。?
ただ、自身の置かれた状況を前向きに考えられるようになったのはここ数年のこと。それ以前は、息子を失った悲しみで「トンネルの中だった」。ある俳優との出会いによって考え方は変わり、今では自ら旗振り役となって遺族の支えになっている。?
それでも、やはり心の底では息子・健介さんへの思いがくすぶる。震災の直前、手相占いに夢中だった健介さんは「おれの命は21だよ」とこぼしていた。「予期していたのかな。助けてやれなかったのが悔しい」。15年がたとうとも、その感情が変わることはない。
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