竹灯篭の炎に犠牲者の姿重ねる 加藤さん、「1.17のつどい」に参加

加藤貴光さん(当時=法・2年)の母、加藤りつこさんが1月17日に神戸市中央区の東遊園地で開催された「阪神・淡路大震災 1.17のつどい」に訪れ、午前5時46分に竹灯籠(とうろう)の炎の前で黙とうを捧げた。【1月17日 神戸大NEWS NET=UNN】?

 今年の1月17日は日曜日ということもあり、東遊園地には例年以上に多くの人々が集まった。「竹灯籠(どうろう)の炎が揺れてて、それがまるで亡くなった人の姿のような気がして」と、りつこさんはじっと炎を見つめていた。黙とうを捧げた後、「慰霊と復興のモニュメント」に献花し、多くの犠牲者の名前が展示してあるモニュメントの地下の展示室で「加藤 貴光」と彫られたプレートを何度も丁寧に撫でた。?

 時折涙ぐみながら黙とうや献花を行ったりつこさん。15年という月日については「毎年と何も変わりません。いつも、毎日思っていたことは、21年間親子としていてくれてありがとう、というただそれだけ」と言葉を詰まらせた。?

 貴光さんは「自分はこの地球で何か役割があるはずだ」という信念のもと、戦争を起こさない何かをする人になりたい、と一生懸命生きていた。「1日が24時間と誰が決めたのか」と言うほど、勉強やサークル活動、バイトにも熱心だったという。「これだけまい進していたのにそれが途中でできなくなって、息子が『役割をはたせなかった』ことにすごく無念で無念で、悔しさを感じました」とりつこさんは話す。
 しかし、貴光さんが生前りつこさんに渡した手紙を偶然見つけた奥野勝利さんが2007年に曲をつけ、「親愛なる母上様」という歌にしてコンサートを開くようになってからは、大きく気持ちが変化した。「コンサートで(息子より)一回りも若い方たちが歌を聴いて涙を流し、何かを感じてくれる時に、あの子の役割が果たせた気がします」とりつこさん。無念さや悔しさの中でも安どを感じ、前向きになり始めることができた。?

   これからもコンサート活動は続けていく。「震災を知らない世代にも自分が体験した事を小、中学生に話し、命がどれだけ大切なものなのか、そして震災で一生懸命生きてきた21歳のお兄ちゃんが亡くなってしまったことを伝えていきたい」と、りつこさんはほほえんだ。

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