2009年度ボランティア講座「被災地の復興と被災者の生活再建」分野の体験実習が3月9日から11日まで、兵庫県佐用町で行われた。参加した15人の学生らは、現地の人らとの交流を通じて、商業や農業などさまざまな視点から復興に向けた取り組みを学んだ。【3月14日 神戸大NEWS NET=UNN】?
佐用町は昨年8月、台風9号による集中豪雨に見舞われた。町の中央付近を通る佐用川が氾濫し、死者18名を出したほか、138棟の家屋が全壊。床上、床下浸水の被害を受けた住宅はおよそ900棟にも上った。?
実習2日目の10日には佐用町生活研究グループ「ほほえみ会」の先導で、集中豪雨の被害が大きかった地域を見学。農村の田畑は荒れ、現在は畑としては使えない土地となっている。復興のためには多額の費用や時間が必要だが、行政から受けた支援は一律的で個々の実情には沿わない場合もある。当事者からの生々しい話を耳にし、学生らは驚きの表情を浮かべていた。?
実習の計画を立てた鈴木孝典さん(発達・2年)は昨年から何度も佐用町に足を運び、被災者の話を聞いてきた。「佐用の自立って何やろうと考えたときに、経済的な自立が本当の自立なのかという疑問があった」。その疑問の答えが実習を通して見えてきたようだ。「実際に大事なのは人同士のコミュニティだと思う。しんどいときでも、そのしんどさを分かち合える人と人とのかかわりから何かが生まれていくのでは」と話した。
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