1年間の「お気に入り」を披露 凌美会展「凌美会概論」

神戸大美術部凌美会による凌美会展「凌美会概論」が、3月4日から9日まで三宮のアート美空間sagaで開催された。28点の力作が会場に並び、訪れた観客はひとつひとつの作品に見入っていた。【3月10日 神戸大NEWS NET=UNN】

 凌美会展は、1年を締めくくる展覧会として毎年行われている。今年はテーマを「凌美会概論」として、部員それぞれが昨年度に描いた中で特に気に入った作品を出展した。
 作品の並べ方にも工夫が施された。アート美空間sagaは窓からの光を取り入れられる部屋と、完全に照明のみで明るさを調節する部屋に分かれている。それを利用して作品を置きわけることで、魅力をさらに引き出せたという。しかし立地条件や天候の悪い日が続いたため、最終日前日までの観客は約50人と普段より少なめだった。?

 斎藤ひろばさん(国文・2年)は「矛盾」と「春」の2点を出展した。「矛盾」は「傘をさすと一人の空間ができてほっとするが、人ともつながっていたい気持ちもある」という「心境の矛盾」を表現した絵画。「重めのテーマだったため、自分の気分も作品に影響するし、作品のテーマも自分に影響するのでちょっとしんどかった」(斎藤さん)という。<br_ style=”color: #000000;”>? 逆に「春」は、「もうすぐやってくる春を待ちわびて、気持ちがふわふわとしていく様子」を柔らかな色合いで表現した絵画。斎藤さんは、「いつも自分は暗いテーマや絵が多いので、明るい絵が描けるようになったのかな」と自分の成長を実感する作品となった。

 これから1年間、副部長も務める斎藤さん。今年の目標は「もっと凌美会の認知度を上げるために、展覧会を大学構内でひらくこと」と話す。現在、国文のセブンイレブン前やM棟に数点凌美会の作品が展示してあるが、「ただ展示するだけではなくテーマ展みたいなものを積極的にやっていきたいと思う」と「凌美会の作品」を積極的に発信する姿勢をみせた。

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